ヴィクター・ヴィト

ニュージーランドを代表する元ラグビー選手の一人、ヴィクター・ヴィト（Victor Vito）は、1987年3月27日にウェリントンで生を受けました。現役時代のポジションは主にナンバーエイト（No.8）やフランカー（FL）を務めました。恵まれた体格を持ち、身長は192cm、体重は109kgです。

ヴィト選手のキャリアは、ウェリントン・スコッツ・カレッジで本格的に始まりました。在学中から才能を発揮し、2004年にはラグビーニュージーランドのセカンダリースクール代表に選ばれています。

その後も世代別代表に順調にステップアップしました。2006年には19歳以下代表に選出され、チームのキャプテンを務める傍ら、IRB Under 19 Player of the Year Awardにもノミネートされるなど、国際的な評価も得ました。同年には、国内最高峰の州代表選手権であるエアニュージーランドカップ（現ITM CUP）にウェリントン州代表として参戦。ワイカト戦でシニアレベルでのデビューを果たしています。

2007年には21歳以下代表に選ばれ、同年から2008年にかけては2年連続でセブンズ（7人制ラグビー）のニュージーランド代表としても活躍しました。

15人制ラグビーでのさらなる飛躍は、世界最高峰のクラブチーム対抗戦であるスーパーラグビーの舞台で訪れます。2009年にニュージーランドの強豪チーム、ハリケーンズに加入し、ハイランダーズ戦でスーパーラグビーデビューを飾りました。ハリケーンズでは主力選手として活躍し、チームの重要な存在となりました。

そして、多くのラグビー選手が目標とするニュージーランド代表、オールブラックスへの選出を果たします。2010年に初めてオールブラックスに選ばれると、同年6月12日のアイルランド代表戦で念願のテストマッチデビューを飾りました。以降、オールブラックスの一員として国際舞台で活躍し、その力強いプレーと献身性でチームに貢献しました。

ニュージーランドでの輝かしいキャリアを経て、2016年には活躍の場を海外に移します。フランスの最高峰リーグであるトップ14に所属するラ・ロシェルへの移籍を決断。ラ・ロシェルでも中心選手として活躍を続け、チームを牽引しました。長年にわたりトップレベルでプレーを続けた後、2022年をもって現役生活にピリオドを打ちました。

グラウンド外での活動としては、現役中の2010年にウェリントンで開催されたセブンズの国際大会において、ニュージーランドの主要放送局であるSky Network Televisionの試合解説を務めるなど、メディアでの経験も持っています。ヴィクター・ヴィトは、その卓越したパフォーマンスと長いキャリアを通じて、ニュージーランドラグビー史に名を刻んだ選手の一人と言えるでしょう。

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