ヴィシェグラード (ハンガリー)

ヴィシェグラードは、ハンガリー北部のドナウ川沿いに位置する都市です。ペシュト県に属し、スロバキアとの国境まで約10kmという地理的条件を持っています。

歴史

ヴィシェグラードの歴史は古く、11世紀にはヴィシェグラード城が築かれました。この城は、都市の発展において重要な役割を果たします。14世紀には、カーロイ1世によって王都が置かれ、ヴィシェグラード城が王宮として使用されるようになりました。これにより、ヴィシェグラードは政治と文化の中心地として繁栄を極めます。

ブダペシュトへの遷都後も、ヴィシェグラードは城下町として存続しました。15世紀、マーチャーシュ1世の治世下で都市は整備拡張され、再び活気を取り戻します。しかし、16世紀にはオスマン帝国軍の侵攻を受け、大きな破壊に見舞われました。その後、ヴィシェグラードは復興を遂げ、現在でもシブリクの丘にはヴィシェグラード城がその威容を誇っています。

ヴィシェグラード城

ヴィシェグラード城は、都市の歴史を象徴する建造物です。中世の時代から戦略的な要所として機能し、王宮としての役割も果たしました。現在では、その一部が観光地として公開され、多くの人々が訪れています。城からはドナウ川や周辺の美しい景色を一望でき、訪れる人々を魅了します。

ヴィシェグラード・グループ

ヴィシェグラードは、近隣諸国との協力関係においても重要な役割を果たしています。1991年には、チェコスロバキア（当時）、ハンガリー、ポーランドによる首脳会議が開かれ、地域協力機構であるヴィシェグラード・グループが設立されました。このグループは、中欧地域の政治、経済、文化における協力関係を促進することを目的としています。ヴィシェグラードは、その名の由来となった場所として、グループの活動を象徴する存在となっています。

ドナウ大曲

ヴィシェグラードは、ドナウ川が大きく蛇行する「ドナウ大曲」と呼ばれる景勝地に位置しています。この地形は、都市の景観に独特の美しさを与えています。ドナウ川は、ヴィシェグラードの歴史と文化に深く関わっており、交通、交易、そして人々の生活を支える重要な役割を果たしてきました。

参考文献

* J・E・カウフマン、H・W・カウフマン共著、ロバート・M・ジャーガ絵、中島智訳「中世ヨーロッパの城塞 攻防戦の舞台となった中世の城塞、要塞および城壁都市」マール社

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