ヴィジニー・ヴィニョン

ヴィルジニー・ヴィニョン：多才なフランス女優の軌跡

ヴィルジニー・ヴィニョン（Virginie Vignon）は、1947年1月5日に生まれたフランスの女優です。1966年、19歳でアラン・ロブ＝グリエ監督の『ヨーロッパ横断特急』で映画デビューを果たしました。この作品で、彼女はスーツケース売りの娘という印象的な役を演じ、そのキャリアをスタートさせました。

初期の活躍

デビューの年、ヴィニョンはジャン・ベッケル監督の『タヒチの男』にも出演し、花屋の役を演じました。翌1967年には、ジャン＝リュック・ゴダール監督の『ウイークエンド』でマリー＝マドレーヌ役を演じるなど、初期から著名な監督の作品に参加し、その演技力を磨きました。これらの作品での彼女の存在感は、観客に強い印象を与えました。

エロティック路線への転換

1970年代に入ると、ヴィニョンはエロティックな路線へと転換し、サンドラ・ジュリアン主演の作品などで、その魅力を開花させました。『サンドラ・ジュリアン/変態白書』（1973年）や『ウーマン・ゼリー/満熟』（1973年）といった作品は、日本でもニューセレクトが配給し公開され、話題となりました。また、1975年にはアラン・ロブ＝グリエ監督の『危険な戯れ』にも出演し、幅広い役柄を演じられる女優であることを証明しました。

テレビドラマ界での活躍

1970年代後半からは、ヴィニョンはテレビドラマ界へと活動の場を移しました。1983年には、ジャン・ベッケル監督の『殺意の夏』で、再び映画にも出演しています。現在も多くのテレビ映画に出演し続けており、そのキャリアは多岐にわたります。

近年の再評価

2001年には、ジョルジュ・クレール監督の『クロド』が再評価され、パリ市内で再上映されました。この作品は、従来ポルノグラフィックだと評価されていましたが、その芸術性が認められ、ヴィニョンの出演作品としても、新たな光を浴びることとなりました。

主なフィルモグラフィ

ヴィニョンの主な出演作品は以下の通りです。

1966年
『ヨーロッパ横断特急』(Trans-Europ-Express) - スーツケース売りの娘役
『タヒチの男』(Tendre voyou) - 花屋役
1967年
『ウイークエンド』(Week-end) - マリー＝マドレーヌ役
1968年
La trêve - フィフィーヌ役
1969年
Hibernatus - メイド役
1970年
『クロド』(Clodo) - オーレリー役
1972年
Les désaxées - シャンタル役
『人妻ポルノ/淫電性悶絶死』(Jeux pour couples infidèles) - 秘書役
1973年
『サンドラ・ジュリアン/変態白書』(Je suis frigide... pourquoi?) - パトリシア役
『性臭めすカマキリ』 (Les chiennes) - マルティーヌ役
『ウーマン・ゼリー/満熟』(Les gourmandines) - ヴィルジニア役
1974年
Y'a un os dans la moulinette
Le cri du coeur
1975年
『危険な戯れ』(Le jeu avec le feu) - 娼婦役
La chatte sur un doigt brûlant - マリー役
Infidélités - Prune
1976年
Les vécés étaient fermés de l'intérieur - オデット・ジャンドラン役
Les petits dessous des grands ensembles - 博士の助手役
Cours après moi que je t'attrape - 室内のカップルの女役
1979年
Et la tendresse?... Bordel! - 男性優越主義者の作家・レア役
1980年
Rendez-moi ma peau...
1983年
『殺意の夏』(L'été meurtrier)

ヴィルジニー・ヴィニョンは、映画、テレビドラマと幅広いジャンルで活躍し、その才能を発揮し続けています。彼女の出演作品は、多様な役柄を演じ分ける彼女の卓越した演技力と、作品ごとに異なる魅力を放つ彼女の存在感を示すものです。

関連人物

ジャン・ベッケル （en:Jean Becker (director, actor)）
ミシェル・ルモワーヌ （fr:Michel Lemoine）
サンドラ・ジュリアン
パトリック・シュールマン （fr:Patrick Schulmann）
ジョルジュ・クレール （fr:Georges Clair）

外部リンク

* Virginie Vignon - IMDb

もう一度検索