アラン・ロブ＝グリエ

アラン・ロブ＝グリエの生涯と業績

アラン・ロブ＝グリエ（Alain Robbe-Grillet, 1922年8月18日 - 2008年2月18日）は、フランスの小説家であり、映画監督でもあります。彼はヌーヴォー・ロマンの代表的な作家として知られ、その作品は文学界において新たな風を吹き込みました。

経歴の始まり

ロブ＝グリエはフランスのブレスト郊外、キルビニヨンに生まれました。初等・中等教育を地元で受けた後、高校はパリのリセ・ビュッフォンに通います。1941年、国立農業技術専門学校に入学しますが、在学中にドイツ軍に徴用され、ニュルンベルクの工場で強制労働を強いられました。戦後の1946年に専門学校を卒業し、1949年には植民地果実柑橘類研究所のバナナ農場監督官に就任。1949年から1951年まで、ギニアや西インド諸島などを巡って業務を行いました。

作家としての出発

1949年に初めて小説『弑逆者』を書きましたが、これは1978年まで発表されませんでした。1951年には帰国の船上で『消しゴム』を執筆し、同年11月には『クリティック』誌に書評を寄稿します。1953年にはデビュー作『消しゴム』が出版され、フェネオン賞を受賞、ロラン・バルトから絶賛を受けました。「対物的文学」と称されるこの作品は、彼のスタイルを確立する基盤となりました。

次に1954年に刊行された『覗く人』は批評家賞を受賞し、彼はミニュイ社の文芸顧問に就任します。1957年には、感情を排除した視覚的描写に徹した『嫉妬』を発表し、一般の読者から酷評を受ける一方で、1959年の『迷路のなかで』は好評を博しました。

映画界への進出

1960年にはアラン・レネ監督の映画『去年マリエンバートで』のシナリオを手がけ、この作品は翌年のヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞。ロブ＝グリエ自身もアカデミー脚色賞にノミネートされるなど、映画界でもその名を馳せます。彼の初監督作『不滅の女』も公開され、批評家たちの注目を集めました。また、小説の映画原作本（シネロマン）も同時に刊行し、作品の多様性を示しました。

作風の変遷と晩年

その後、軽妙な作風にシフトしながら『快楽の館』（1965年）などの作品を発表。2004年にはアカデミー・フランセーズの会員に選出され、名誉ある地位を確保しました。2008年、フランス北西部カーンの病院にて85歳で亡くなりました。

代表的な著作

ロブ＝グリエの著作は多岐にわたりますが、代表作としては以下のようなものがあります。

• - 『弑逆者』（1978年出版）
• - 『消しゴム』（1953年）
• - 『覗く人』（1955年）
• - 『嫉妬』（1957年）
• - 『迷路のなかで』（1959年）
• - 『快楽の館』（1965年）

彼の作品は文学だけでなく映画にも影響を与え、彼の革新的なアプローチはジャンルを越えた評価を受けています。ロブ＝グリエの遺産は、現在でも多くの作家たちにインスピレーションを与え続けています。

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