ヴィーナス (長山洋子のアルバム)

長山洋子『ヴィーナス』：アイドル時代の輝きと洋楽カバーへの挑戦

『ヴィーナス』は、日本の歌手・長山洋子がアイドル歌手として活動していた時期にリリースした、初の洋楽カバーアルバムであり、通算2枚目のオリジナルアルバムとして1987年2月1日にビクター音楽産業から発売されました。

アルバム概要

このアルバムは、1986年10月21日にリリースされた長山洋子のシングル「ヴィーナス」の原曲である英語バージョンを中心に、当時の洋楽ヒットナンバーをカバーした作品集です。訳詞は篠原仁志、さかたかずこ、吉元由美が担当し、編曲は鷺巣詩郎と西平彰が手掛けています。

アルバムには、シングル「ヴィーナス」の英語バージョンに加え、イントロと間奏が長くエディットされ、ボーカルに加工が施されたExtended Versionも収録されています。このExtended Versionは、シングルとは異なるミキシングが施されており、アルバムならではの魅力が際立っています。

発売当時はLPレコード、コンパクトカセット、CDの3形態でリリースされましたが、現在では音楽配信サービスを通じて音源を入手することが可能です。

収録曲について

アルバム収録曲は、1960年代から1980年代にかけて世界的にヒットした洋楽ナンバーが中心です。バナナラマの「ヴィーナス」をはじめ、ステイシー・Qの「Two of Hearts」、オリジナル・キャストの「Mr. Monday」、フィリス・ネルソンの「I Like You」、ボビー・ヘブの「Sunny」など、幅広いジャンルの楽曲が収録されています。

これらの楽曲は、長山洋子の歌声によって新たな魅力が引き出され、原曲とは異なる印象を与えます。特に、日本語詞が付けられた楽曲は、長山洋子の表現力によって、より感情豊かに歌い上げられています。

SIDE Bには、マドンナの「Papa Don't Preach」、マイケル・フォーチュナティの「Give Me Up」、ベルリンの「愛は吐息のように (Take My Breath Away)」といった、1980年代を代表するヒット曲が収録されています。これらの楽曲は、当時を知る世代にとっては懐かしいメロディーであり、若い世代にとっては新鮮な発見となるでしょう。

CD版には、LPレコードと同様の収録曲に加え、「ヴィーナス (Extended Version)」も収録されています。このExtended Versionは、6分を超える長尺であり、ダンスミュージックとしての魅力が強調されています。

アイドルからアーティストへ

『ヴィーナス』は、長山洋子がアイドル歌手からアーティストへと脱皮を図る上で重要な作品と言えます。洋楽カバーという新たな試みを通じて、長山洋子の歌唱力と表現力が開花し、幅広い音楽ファンにアピールすることに成功しました。

このアルバムは、長山洋子のキャリアにおいてターニングポイントとなった作品であり、彼女の音楽性の幅広さを示す貴重な記録と言えるでしょう。

収録曲リスト

1. ヴィーナス (VENUS) -English Version-
2. トゥ・オブ・ハーツ (TWO OF HEARTS)
3. ミスター・マンデー (MR.MONDAY)
4. アイ・ライク・ユー (I LIKE YOU)
5. サニー (SUNNY)
6. パパ・ドント・プリーチ (PAPA DON'T PREACH)
7. ギヴ・ミー・アップ (GIVE ME UP)
8. 愛は吐息のように (TAKE MY BREATH AWAY)
9. ヴィーナス (VENUS) -Extended Version-

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