ヴェドラン・チョルルカ

ヴェドラン・チョルルカ：クロアチアの鉄壁ディフェンダー、その軌跡

ヴェドラン・チョルルカ（Vedran Ćorluka）は、1986年2月5日生まれ、ユーゴスラビア（現ボスニア・ヘルツェゴビナ）出身の元サッカー選手です。主にセンターバックや右サイドバックとして活躍し、現在はクロアチア代表のアシスタントコーチを務めています。彼のキャリアは、激動の時代を背景に、クロアチアサッカー界の発展とともにありました。

クラブキャリア

NKディナモ・ザグレブ

チョルルカは、NKディナモ・ザグレブの下部組織で育ち、2003年にトップチームデビューを果たしました。しかし、当初は出場機会に恵まれず、2004-05シーズンにはNKインテル・ザプレシッチへレンタル移籍。ここで才能を開花させ、チームの1部昇格に貢献しました。ディナモ・ザグレブ復帰後は、主力としてリーグ2連覇、カップ戦優勝など、数々のタイトル獲得に貢献。その安定したパフォーマンスから、イゴール・トゥドールと比較されるほどの評価を得ました。

マンチェスター・シティ

2007年、チョルルカはイングランドのマンチェスター・シティFCへ移籍。移籍金は800万ポンドと報じられました。加入初年度からコンスタントに出場機会を得て、プレミアリーグの舞台でもその実力を発揮。守備的MFとしても起用されるなど、ユーティリティ性もアピールしました。2008-09シーズンには、アストン・ヴィラFC戦で移籍後初ゴールを記録。UEFAカップ予選ではPK戦の最後のキッカーを務めるなど、重要な局面での役割も担いました。

トッテナム・ホットスパー

2008年9月、チョルルカはトッテナム・ホットスパーFCへ移籍。ここでは、クロアチア代表の同胞であるルカ・モドリッチと再会しました。加入当初は右サイドバックのレギュラーとして活躍しましたが、怪我やライバルの台頭により、徐々に出場機会が減少。2012年には、バイエル・レバークーゼンへレンタル移籍しました。レバークーゼンでは、UEFAチャンピオンズリーグでアシストを記録するなど、存在感を示しましたが、クラブの財政難により完全移籍とはなりませんでした。

FCロコモティフ・モスクワ

2012年、チョルルカはロシアのFCロコモティフ・モスクワへ移籍。ここでは、かつてクロアチア代表を率いたスラベン・ビリッチ監督の指導を受けました。加入後すぐに主力として定着し、2017-18シーズンにはロシアプレミアリーグ優勝を経験。長年にわたりチームを支え、キャプテンも務めました。

クロアチア代表

チョルルカは、クロアチア代表としても長年活躍しました。2006年8月にA代表デビューを飾り、UEFA EURO 2008、UEFA EURO 2012、2014 FIFAワールドカップなど、数々の国際大会に出場。EURO 2008予選では中心選手として、クロアチア代表のグループリーグ首位突破に大きく貢献しました。2018 FIFAワールドカップでは、準優勝メンバーの一員として、チームを支えました。国際Aマッチ通算103試合に出場し、4得点を記録しています。

引退後

現役引退後は、クロアチア代表のアシスタントコーチに就任し、指導者としてのキャリアをスタートさせました。長年の経験と知識を活かし、次世代のクロアチア代表選手の育成に貢献することが期待されています。

ヴェドラン・チョルルカは、その堅実な守備と献身的なプレーで、多くのファンを魅了しました。クラブと代表の両方で数々の功績を残し、クロアチアサッカー史にその名を刻んでいます。

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