ヴェルナッチャ

ヴェルナッチャ (Vernaccia)

ヴェルナッチャは、イタリアを代表する白ワイン用ブドウ品種の一つであり、特にトスカーナ地方のヴェルナッチャ・ディ・サン・ジミニャーノに使用されることで広く知られています。しかし、「ヴェルナッチャ」という名前を持つブドウは一つではなく、多くのクローン亜種が存在します。

興味深いことに、サルデーニャのシェリータイプのワインに使用されるヴェルナッチャ・ディ・オリスターノや、マルケ州の赤色スパークリングワインであるヴェルナッチャ・ディ・セッラペトローナに使われるヴェルナッチャ・ネーラは、トスカーナのヴェルナッチャとは直接的な類縁関係はないと考えられています。この背景には、「ヴェルナッチャ」という言葉が、その土地固有の、という意味を持つ「vernacular」に由来し、各地のローカルなブドウを指す名前として使われた可能性があることが指摘されています。

歴史

トスカーナ州で栽培されているヴェルナッチャは、非常に古い歴史を持つ品種と考えられています。しかし、その起源についてはワイン学者の間でも意見が分かれており、東ヨーロッパ、ギリシア、あるいはローマ時代に遡るという説があります。

中世の時代には、「Vernage」という名前で親しまれたヴェルナッチャのワインがロンドンで人気を博しました。これは、ヴェルナッチャが古くから国際的な評価を得ていたことを示唆しています。

スタイル

ヴェルナッチャの中で最も知られている亜種は、ヴェルナッチャ・ディ・サン・ジミニャーノの白ワインに使われるブドウです。このブドウから造られるワインは、爽やかな酸味と柑橘系の風味が特徴で、キレの良い辛口に仕上がります。ヴェルナッチャは、トレッビアーノなどの他の品種とブレンドされることもありますが、その個性を際立たせるために、単一品種でワインが造られることもあります。

ヴェルナッチャ・ディ・サン・ジミニャーノは、その土地のテロワールを反映した独特の風味を持つワインとして、世界中のワイン愛好家から愛されています。また、近年では、より高品質なワインを追求する生産者が増えており、ヴェルナッチャの可能性はますます広がっています。

関連項目

* ワイン用ブドウ品種の一覧

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