ヴェルヴェット・リヴォルヴァー

ヴェルヴェット・リヴォルヴァー（Velvet Revolver）は、2002年に結成されたアメリカのロックバンドであり、そのメンバー構成から「スーパーグループ」と称されています。元ガンズ・アンド・ローゼズのスラッシュ（ギター）、ダフ・マッケイガン（ベース）、マット・ソーラム（ドラムス）に加え、デイヴ・クシュナー（ギター）、そして元ストーン・テンプル・パイロッツのスコット・ウェイランド（ボーカル）という、錚々たるメンバーが集結しました。

結成の経緯

バンド結成のきっかけは、ランディ・カステロの追悼コンサートに遡ります。このコンサートで、元ガンズ・アンド・ローゼズの3人に、バックチェリーのメンバーが加わり、「Buck N' Roses」として演奏したことが、バンド結成の原点となりました。その後、メンバーはアルバム制作を開始しますが、ボーカルの選定で難航します。最終的にスコット・ウェイランドが加入し、バンドの基礎が固まりました。

バンド名の由来

当初、バンド名は「Reloaded」となる予定でしたが、映画「マトリックス リローデッド」の公開により断念。その後、スラッシュの提案で「Revolver」という案が出ましたが、既に多くのバンドが使用していたため、スコット・ウェイランドが「Dead Velvet Revolver」を提案、最終的に「Velvet Revolver」に決定しました。

音楽活動と成功

デビュー前の2003年には、ライブDVDの発売が予定されましたが、海賊版がインターネット上に流出したため中止に。しかし、映画『ハルク』に楽曲『セット・ミー・フリー - Set Me Free』を提供し、初の公式音源を発表しました。その後、2004年にはアルバム『コントラバンド - Contraband』をリリース。ビルボードチャート初登場1位を記録し、シングルカットされた『スリザー - Slither』は、第47回グラミー賞ベスト・ハード・ロック・パフォーマンス部門を受賞するなど、大きな成功を収めました。

度重なるトラブルと解散

2005年にはソニックマニアで来日公演を果たしますが、度重なるメンバー間のトラブルが表面化。特にスコット・ウェイランドの脱退と復帰を繰り返し、2008年には正式に脱退。その後、新ボーカリストを探すも、後任は見つからず、2012年の一夜限りのセッションを最後に、バンドとしての活動は停止しました。2015年にはスコット・ウェイランドが薬物中毒により死去し、バンドの再結成は事実上不可能となりました。

メンバー

スラッシュ (Slash)：ギター（元ガンズ・アンド・ローゼズ）
ダフ・マッケイガン (Duff McKagan)：ベース（元ガンズ・アンド・ローゼズ）
デイヴ・クシュナー (Dave Kushner)：ギター
マット・ソーラム (Matt Sorum)：ドラムス（元ガンズ・アンド・ローゼズ）
スコット・ウェイランド (Scott Weiland)：ボーカル（元ストーン・テンプル・パイロッツ）

ディスコグラフィー

アルバム
コントラバンド - Contraband (2004)
リベルタド - Libertad (2007)
EP
メロディ・アンド・ザ・ティラニー - Melody and the Tyranny (2007)

主なシングル
セット・ミー・フリー - Set Me Free (2003)
スリザー - Slither (2004)
フォール・トゥ・ピーセズ - Fall to Pieces (2004)
ダーティ・リトル・シング - Dirty Little Thing (2005)
カモン、カミン - Come on, Come in (2006)
シー・ビルズ・クイック・マシーン - She Builds Quick Machine (2007)
ラスト・ファイト - The Last Fight (2007)
* ゲット・アウト・ザ・ドア - Get Out the Door (2008)

カバー曲

数多くのカバー曲を演奏しており、そのレパートリーは多岐にわたります。ビートルズ、ローリング・ストーンズ、AC/DC|AC_DCなど、幅広いジャンルの楽曲をカバーしています。

ヴェルヴェット・リヴォルヴァーは、その音楽性とメンバーのカリスマ性で、多くのファンを魅了しました。短い活動期間ながら、その音楽は今もなお、ロックファンに愛され続けています。

もう一度検索