ヴェープル12モロト

ヴェープル12モロト：AKの血統を受け継ぐタクティカル・ショットガン

ヴェープル12モロトは、ロシアのモロト社が製造する12ゲージのセミオートマチック散弾銃です。元々はAKM自動小銃をベースにしたRPK軽機関銃の製造で知られるモロト社が、そのRPKの技術を応用して開発したヴェープルシリーズの一機種です。

概要

ヴェープル12モロトは、ヴェープルシリーズの中でも、特にAKシリーズに近い外観と構造を持つタクティカル・ショットガンとして設計されています。軍用銃をスポーツ銃器へ転用するというコンセプトは、イズマッシュ社が製造するサイガシリーズと共通していますが、ヴェープル12モロトは、サイガにはない独自の機構を取り入れ、機能性と安全性を向上させています。

基本仕様

口径: 12ゲージ
作動方式: 長ガス・ピストン/回転ボルト閉鎖方式
給弾方式: ボックスマガジン（8発）

ヴェープル12モロトは、AKシリーズをベースとしているため、内部機構はサイガ12と共通する部分が多いです。しかし、ヴェープル12モロトは、RPK-74に準じた小型のハンドガードを装備し、よりAKシリーズに近い外観を保っています。また、ボルト・ホールドオープン機構を搭載し、マガジン挿入口を大きくすることで、マガジン交換の容易性と安全性を高めています。ボルトにはクロムメッキ加工が施され、耐久性も向上しています。

レシーバー上部とハンドガードにはピカティニー・レールが装備されており、各種光学機器やアクセサリーの装着が可能です。ショルダーストックは、折り畳み式、伸縮式、固定式のものが存在します。

バリエーション

ヴェープル12モロト・スタンダード: 430mmバレル、脱着可能なフラッシュハイダー
ヴェープル12モロト・バージョン01: 520mmバレル、固定式フラッシュハイダー
ヴェープル12モロト・バージョン02: 680mmバレル、ピカティニー・レールとフラッシュハイダーを省略

採用国

ロシア
フランス (RAID)

フランス国家警察の特別介入部隊（RAID）が採用している点は特筆に値します。西ヨーロッパ圏では東ヨーロッパ圏の銃器が採用されることは稀ですが、ヴェープル12モロトは、多弾数マガジンと多様な弾薬への対応力が評価され、採用に至りました。

ヴェープル12モロトは、AKシリーズの信頼性と、散弾銃の汎用性を兼ね備えた、ユニークなタクティカル・ショットガンと言えるでしょう。

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