ヴォルムスの薔薇園

『ヴォルムスのバラ園』は、13世紀に成立した中高ドイツ語の騎士道物語叙事詩です。この作品は、英雄ディートリッヒ・フォン・ベルンを主人公とする物語群の一つであり、同時に有名な叙事詩『ニーベルンゲンの歌』に登場する人物たちも登場します。

物語の舞台は、ヴォルムスに存在する美しい薔薇園。この薔薇園は、クリエムヒルトの父であるギューキ王が所有していました。ある日、ギューキ王は周囲に対し、この薔薇園を守る12人の屈強な戦士たちを打ち破ることができる者がいるかと挑戦的な態度を示します。

これに対し、英雄ディートリッヒ・フォン・ベルンと、フン族の王であるエッツェルが共同でギューキ王の挑戦を受けることを決意します。そして、薔薇園を舞台に激しい戦いが繰り広げられることになります。

この戦いにおいて、ディートリッヒ・フォン・ベルンは、薔薇園を守護する戦士の中でも最強の存在であるシグルズとの対決に勝利します。他の戦いにおいても、12の戦いのうち一つを除いて、ディートリッヒとエッツェルの陣営が薔薇園側の戦士たちを打ち破りました。

最終的に、ギューキ王はディートリッヒとエッツェルの実力を認めざるを得なくなります。勝利を収めたディートリッヒ側の陣営には、その名誉を称え、花輪とキスが贈られました。

この物語は、中世の騎士道精神や英雄譚、そして愛と裏切りといったテーマが複雑に絡み合っており、中高ドイツ語文学の中でも重要な作品として位置づけられています。

外部リンク
『ヴォルムスの薔薇園』の裏切り者ヴィテゲ : ディートリヒ歴史叙事詩との関連から 渡邊徳明
ニーベルンゲン伝説の人々 無限空間2号館

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