ヴワディスワフ3世 (ポーランド王)

ヴワディスワフ3世ヴァルネンチクの生涯

ヴワディスワフ3世ヴァルネンチク（Władysław III Warneńczyk）は、1424年10月31日に生まれ、1444年11月10日に惜しまれながらこの世を去ったポーランド王であり、同時にハンガリー王でもありました。彼はヴワディスワフ2世の長男で、母はゾフィア・ホルシャンスカであり、ハンガリーの王位も手に入れたものの、その治世は波乱に満ちていました。

ポーランド統治

ヴワディスワフ3世は、ヤギェウォ王家の血を引く一方で前王朝のピャスト家との複雑な背景を持っていました。彼の異母姉ヤドヴィガとブランデンブルク選帝侯フリードリヒ2世による王位継承の主張は、若き国王にとって試練でした。1526年にヤドヴィガが亡くなるまでは、継承権を巡る争いが続いていました。父ヴワディスワフ2世の下、幼く10歳で即位した彼は、政治的な立場の不安定さもあって、実質的には枢機卿ズビグニェフ・オレシニツキに支配されることとなりました。

国王としての彼の治世は、多くの困難に直面しました。戴冠式当日には反対派による妨害があり、初めての公的な歓呼も貴族たちの争いで台無しになりました。また、成人した後も国事に関与する権限が著しく制限されていました。このような政治的な圧力が続く中、彼の独自の政策を展開することは難しかったのです。

ハンガリー王即位と戦死

1440年、ヴワディスワフ3世はハンガリー国王として推されたものの、彼の統治には多くの問題がありました。オスマン帝国の脅威が増大していた中で、彼がハンガリーを統治することで引き起こされるであろうポーランド貴族からの反発も懸念されていました。また、前王の未亡人エリーザベトが妊娠中であり、彼女の子どもに次代の王位を継がせようと企んでいる状況があったのです。

それでも、ヴワディスワフ3世はハンガリー王位を受け入れ、反対派との内戦を経て見事に勝利を収めました。しかし、彼の関心はハンガリーではなく、教皇エウゲニウス4世からの援助を基にトルコに対する十字軍に移っていきました。彼は「キリスト教の守護者」としての称号を受けて意気揚々としましたが、オスマン帝国の脅威の大きさを理解することができませんでした。

その結果、1444年のヴァルナの戦いで、彼は戦死してしまいます。部下であるフニャディ・ヤーノシュからの制止を振り切り、無謀にも敵軍に突撃した彼は、スルタンの親衛隊からの攻撃に遭遇しました。この戦いには彼同様に多くの英雄も散っており、ヴワディスワフ3世は未婚のままその命を終えました。

伝説と謎

彼の死後、ポルトガルの伝説ではヴワディスワフ3世がヴァルナの戦いを生き延び、マデイラ島に王国を築いたという話が語られました。アフォンソ5世は彼にその土地を与え、名声を残したとされています。それとは別に、アメリカの歴史学者マヌエル・ロサは、ヴワディスワフ3世がクリストファー・コロンブスの父であるという説を発表し、これには多くの興味深い証拠が提示されました。彼の身にまとう謎が深まる中、この名は歴史の中で決して忘れ去られることはないでしょう。彼の存在は、歴史の裏側にあるさまざまな逸話や伝説へと繋がっていくのです。

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