一宮神社 (福知山市)

一宮神社について

一宮神社（いっきゅうじんじゃ）は、京都府福知山市に位置する歴史ある神社です。この神社は国道9号線の高架やJR福知山線と交差する場所にあり、豊かな自然に囲まれています。かつては府社として知られ、この地域の信仰を集めてきました。

祭神

この神社の祭神は大己貴神（おおなむちのかみ）、またの名を大国主神（おおくにぬしのかみ）です。大国主神は、農業や商業、国土の開発、そして幸福をもたらす神とされています。そのため、一宮神社は地域の人々からの崇敬を集めています。

歴史

一宮神社の創建は奈良時代にさかのぼり、伝承によると慶雲4年（707年）に麿子親王によって建立されたとされています。神社は丹波・丹後の国境の守護神として崇拝され、福智山城の城主たちにより社殿の修復や宝物の奉納も行われてきました。江戸時代には福知山藩の鎮守としてさらに栄え、現在もなお多くの参拝者が訪れるスポットとなっています。

2023年6月17日には火災が発生し、本殿を囲む板塀の一部が焼ける事件が起こりました。不審火の疑いで逮捕された大学生がこの事件の容疑者とされていますが、神社の歴史に影響を及ぼさないことを願っています。

境内

一宮神社の境内は、享保3年（1718年）に建てられた社殿を中心に構成されており、一間社流造で桧皮葺の美しい建築が訪問者を魅了します。また、境内社として大原神社、八幡神社、天満神社などがあり、1719年に建立されたこの境内社群も重要な文化財として登録されています。境内には鎌倉時代に造られた石灯籠や唯一の能舞台も存在し、訪れる人々に歴史的な魅力を提供しています。

環境保全地区

境内を囲む鎮守の杜には多くのケヤキや照葉樹が見られ、自然豊かな環境が保護されています。夏にはカブトムシやクワガタムシが生息し、子供たちが楽しみにする自然観察の場にもなっています。府の文化財環境保全地区にも指定されており、地域の自然保護の重要性が認識されています。

摂末社

本社のほかにも、武大神社やさまざまな境内社があり、各社とも文化財としての価値を持っています。武大神社は福知山市の土に鎮座していた建田神社を起源としており、1908年に一宮神社に移築されました。これらの社も地域の信仰の対象として親しまれています。

文化財

一宮神社は多くの有形文化財を擁し、本殿や境内社本殿群が府の登録文化財として認定されています。また、鎌倉時代の石灯籠は国の重要美術品にも指定され、その歴史的価値が高く評価されています。

現地情報

一宮神社は京都府福知山市字堀2249に位置し、最寄りのJR西日本福知山線の福知山駅から徒歩15分でアクセス可能です。また、バスの場合は京阪京都交通バス「一宮神社」停留所が近く、便利です。この神社の北側には福知山城、西側には陸上自衛隊福知山駐屯地があります。

地域の歴史や文化の重要な場所である一宮神社。訪れる際は、その美しい自然や歴史的な価値を感じながら、崇敬の念を持って参拝を行ってください。

もう一度検索