一式三十七粍高射機関砲

一式三十七粍高射機関砲の概要と歴史

一式三十七粍高射機関砲（いちしき37みりこうしゃきかんほう）は、1941年に日本の陸軍が制式制採用した対空火器です。この砲は、1936年にドイツのラインメタル社によって開発されたFlak18を原型としており、サキ砲とも呼ばれることがあります。

背景

昭和12年、当時の日本陸軍は九八式二十粍高射機関砲と八八式七糎野戦高射砲を陣地に配備し、高射火器として運用していましたが、これらの火器は特定の高度に対する防空能力に限界がありました。これを踏まえ、帝国陸軍は中高度防空および対地攻撃のために、ドイツ製の3.7 cm FlaK 36/37を購入し、その試験を行いました。試験の結果、この砲は重量は重いものの、構造が簡素で威力も十分であると認められたため、昭和16年に正式に採用されました。

生産と運用

一式三十七粍高射機関砲は、ライセンス生産として製造されましたが、その数は限られていました。昭和16年のマレー作戦では、イギリス軍が使用していたボフォース40mm機関砲を多く鹵獲し、日本陸軍はこの高性能な砲を優先して採用することにしました。そのため、一式三十七粍高射機関砲の生産は中止され、結果的に少量の製造に留まりました。生産された砲は主に要地防衛用に配置されましたが、その後の運命については不明です。

性能

本砲の貫通力は、通常の徹甲弾を用いた場合、100メートルの距離で約24mmを貫通する能力があります。また、高速徹甲弾を使用した場合には、同じ距離で約36mmの貫通力を発揮します。これらの性能から、一式三十七粍高射機関砲は一定の戦闘能力を有していました。

派生型

本砲を車載化した試製対空戦車タハも存在しましたが、終戦に伴って実際の製造には至りませんでした。

参考文献

詳しい情報は以下のリンクに記載されています： 3.7 cm FlaK 36/37
また、この砲は大日本帝国陸軍の兵器一覧の中でも重要な位置を占めていました。

一式三十七粍高射機関砲は、限られた生産量ながらも、当時の日本陸軍にとって重要な対空火器であり、戦争における航空戦の一部を担っていました。

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