一式装甲兵車

一式装甲兵車 ホキ（いっしきそうこうへいしゃ ホキ）

一式装甲兵車ホキは、第二次世界大戦において日本陸軍に所属し、主に兵員輸送を目的とした装甲車両です。この車両は、1941年に制式化され、皇紀の下二桁を取って「一式」と名付けられました。ハーフトラックタイプの一式半装軌装甲兵車とは異なり、全装軌式である点が特長です。生産は日野重工によって行われましたが、軍の資源が航空機や船舶に集中投資されていたため、ホキの本格的な生産が開始されたのは1944年頃でした。

量産された一式装甲兵車は、陸軍が決戦場と定めたフィリピンに配属されましたが、輸送中に米国の潜水艦による攻撃で沈没する事例もありました。ほとんどの車両が日本本土に留まり、決戦用に戦車第1連隊に配備される運命を辿りました。全装軌式のホキは、戦局の変化や領土の喪失により実戦での活躍の場は限られましたが、少なくとも200輌が生産されたと考えられています。昭和19年度から昭和20年度にかけて、合計501輌が生産されましたが、そのうちどのくらいがホキだったのかは不明です。

この車両の姉妹車には、一式装軌貨車があります。この車両は後部の架台が物資輸送用に改造された形態で、用途が異なるため、補給や物資搬送の役割を果たすために設計されました。

登場作品

一式装甲兵車ホキは、アニメや小説など、さまざまなメディアに登場しています。例えば、アニメ『ガールズ&パンツァー 最終章』の第3話では、知波単学園によって所有された一式装軌貨車が登場し、視聴者に印象的なシーンを提供しました。また、小説『レッドサン ブラッククロス』では、日本陸軍所属の「一式装軌式兵員輸送車改」という名称で登場し、カナダに派遣された部隊に装備され、北米に進攻したドイツ軍との戦闘に投入されました。

まとめ

一式装甲兵車ホキは、独特な設計と仕様を持つ日本陸軍の装甲車両であり、第二次世界大戦の日本の陸戦における足跡を残しています。歴史的な背景を理解することで、この車両の役割や意義をより深く知ることができるでしょう。

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