一条智光

一条智光（いちじょう ちこう）

一条智光（1907年10月23日 - 2000年1月25日）は、浄土宗大本山善光寺大本願の第120世法主を務めた尼僧です。尼公上人、大僧正とも称され、光照院門跡を兼務しました。全日本仏教尼僧法団総裁、全日本仏教婦人連盟名誉会長など、数々の要職を歴任し、仏教界、社会福祉に大きく貢献しました。

生涯

一条智光は、1907年、子爵小倉英季の娘として東京に生まれました。その後、公爵一条実輝の養女となります。6歳で善光寺に入山し、第119世法主・大宮智栄のもとで得度しました。14歳で山下現有大僧正から受戒を受けています。

1933年、26歳で善光寺大本願副住職に就任。1958年には、全日本仏教尼僧法団長野支部が発足し、初代支部長に就任しました。当時の尼僧法団総裁は大宮智栄法主でした。

1961年、大宮智栄法主の引退に伴い、54歳で善光寺上人第120世として晋山。1962年には大本願乳児院を認可。1963年にはガールスカウト日本連盟長野県支部第11団委員長に就任するなど、社会活動にも積極的に参加しました。

また、1963年には青年のための仏教講座(道心会)初代総裁、浄土宗吉水会会長に就任。1967年には京都・光照院門跡を兼務しました。1979年には大本願寿光殿(寺務所)を改築、1982年には大本願乳児院を改築移転するなど、寺院の整備にも尽力しました。

1984年、第119世・大宮智栄上人が遷化。それに伴い、城泉山観音寺(戸倉上山田温泉)を兼務することになりました。同年にはインドに光明施療院を設立するなど、国際的な慈善活動も行いました。日台、日中仏教交流訪団の団長も務めています。

1991年には、長野市若穂に特別養護老人ホーム「ユートピアわかほ」を設立。大本願本誓殿(本堂)の再建工事にも着工しました。1994年には、京都・光照院門跡を退任。1996年には本誓殿が落慶しました。

1997年、善光寺御開帳の期間中に、当時の大本願副住職・鷹司誓玉に善光寺法主の座を譲り、第120世法主を退任。1998年2月の長野オリンピック開催中には、宿舎にて天皇・皇后と面会しました。

2000年1月25日、満92歳で遷化。法名は「微妙浄院殿性蓮社大僧正霊譽上人法阿信誓智光大和尚」です。

主な役職

浄土宗吉水会会長
全日本仏教尼僧法団総裁
全日本仏教婦人連盟名誉会長
佛教大学振興会名誉会長
静寛院和宮奉賛会名誉会長
ガールスカウト長野県第11団団委員長
善光寺大本願福祉会総裁

参考文献

「近世以降歴代善光寺上人ゆかりの御品」(監修：大本山善光寺第121世鷹司誓玉、企画・編集：大本山善光寺大本願山口純一、平成20年5月20日発行)

外部リンク

一条智光法主による祈祷
全日本仏教尼僧法団
大本願乳児院
浄土宗吉水会
* ユートピアわかほ

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