一畑山薬師寺

一畑山薬師寺（いちはたさんやくしじ）

愛知県岡崎市藤川町に位置する一畑山薬師寺は、臨済宗妙心寺派に属する寺院です。この寺院は厄除け、交通安全、眼病平癒のための祈祷が特に有名で、愛称である「いちはたさん」で親しまれています。岡崎市の本堂と、名古屋市千種区にある名古屋別院の二つがあり、総本山は島根県出雲市にある一畑寺です。この寺院は地元観光ガイドにおいても岡崎観光きらり百選に選出されています。

沿革

名古屋における開山

一畑山薬師寺は、1948年に島根県出雲市の一畑寺から分霊を得て名古屋市に開山しました。その後、1958年には一畑山薬師寺奉讃会が設立されるとともに、1960年には岡崎市に広大な土地を取得しました。

岡崎本堂の入仏

1976年には岡崎市において本堂の上棟式が行われ、翌1977年には文殊菩薩様の供養祭が実施されました。1980年には元内閣総理大臣の福田赳夫を招いて岡崎本堂の入仏式が行われ、その後名古屋別院は春岡に位置することになりました。1994年には臨済宗の管長が訪れ、2012年には「瑠璃光殿」という納骨堂が竣工。その中心には全長8.94メートルの銅製薬師如来涅槃像が設置され、3万枚の金箔で覆われたこの像は世界最大とも言われています。

祈祷と年間行事

一畑山薬師寺では、団体祈祷が30分ごとに行われ、本堂での祈祷後には不動明王殿にて物品祈祷を受けることができます。車両の祈祷も行われ、参拝者にはお斎（食事）を予約することが推奨されています。

毎年開催される行事も豊富で、1月の初薬師を皮切りに、節分豆まき祭、春季大祭、秋季大祭など、多岐にわたる祭典が設けられています。特に、開基祭や天災災難除け祈願は多くの参拝者が訪れる重要な行事です。

温泉（御霊泉）

一畑山薬師寺には2002年から親しまれている「御霊泉」と呼ばれる温泉があります。この温泉は「飲むことができる温泉」として人気があり、低張性アルカリ性冷鉱泉の泉質を持ちます。また、入浴料金は1500円で、祈祷料も含まれています。

温泉の営業時間は、平日や週末に応じて定められており、年中無休で営業しています。

メディア露出

1980年に始まったテレビとラジオのCM放送は、一畑山薬師寺が初めて制作したもので、多くの人々に寺院の存在をアピールしました。2001年にはグローバルな参拝者を呼ぶことを目的とし、「ビリーブ ユア ハート」というキャッチコピーを使用するようになりました。このCMは、伝統を大切にしつつも新しい風を感じさせる内容として注目を浴びています。

交通アクセス

岡崎本堂へのアクセスは、名鉄名古屋本線藤川駅から徒歩約40分、無料送迎バスも利用可能です。また、名古屋別院へは地下鉄東山線池下駅から徒歩約8分の距離にあり、交通の便も良好です。表記された住所や交通機関を利用して、ぜひ一度訪れてみてください。

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