一畑電気鉄道3000系電車

一畑電気鉄道3000系電車

一畑電気鉄道3000系電車は、一畑電気鉄道（現・一畑電車）が1996年に導入した通勤形電車です。老朽化した車両の置き換えと輸送力増強を目的として、南海電気鉄道21000系を譲り受け、改造した車両です。

概要

1996年12月27日に2両編成4本、計8両が竣工し、北松江線の近代化に大きく貢献しました。編成は、先頭車同士を連結した「デハ3001形 (M'c) - デハ3010形 (Mc)」で構成され、デハ3001形は連結面側のパンタグラフが撤去されました。ワンマン運転に対応するため、前面窓の両側にサイドミラーが取り付けられ、行先表示は前面と側面の窓に行先表示板を掲示する方式を採用しています。

塗装は、2100系と同様にイエローを基調とし、側窓下がホワイト、側扉と前照灯周りがダークブルーで塗装されています。前面窓下にはダークブルーの太帯が描かれており、特徴的な外観を形成しています。車内はロングシートを基本としていますが、3008編成は新製当初クロスシートでした（南海時代に改座）。また、側扉付近には乗車整理券発行機、運転台後部には運賃表示器と自動両替機付き運賃箱が設置されています。

車両一覧

車番は2100系の続番として、5から始まっています。

各編成の形態は以下の通りです。

3005編成（デハ3005+デハ3015）
2006年7月、大雨による土砂崩れに乗り上げ脱線しましたが、修理後運用に復帰しました。
2014年3月、側面に日本海テレビの広告が掲載されました。
2015年2月6日に定期運用から離脱し、3月に廃車解体されました。
3006編成（デハ3006+デハ3016）
2012年に水木しげるの「のんのんばあとオレ」をデザインした「のんのんばあ電車」としてラッピングされ、3月22日から運行を開始しました。
2014年11月21日に「のんのんばあ電車」としての運行を終了しました。
2015年5月11日にラッピングが解除され、運用に復帰しました。
2017年1月20日に営業運転を終了し、21日・22日にさよならイベントを開催後、2月に廃車解体されました。
3007編成（デハ3007+デハ3017）
2015年12月10日に後継車両の1003編成が運行を開始しましたが、車両不足のため運用が延長されました。
12月16日に故障し、そのまま運用を離脱。2016年1月に廃車解体されました。
3008編成（デハ3008+デハ3018）
2007年に「ラムサール条約湿地の賢明利用推進事業」の一環として、宍道湖の生き物をデザインした「しんじ湖ラムサール号」となり、4月28日から運行を開始しました。
2011年11月21日に「しんじ湖ラムサール号」としての運行を終了しました。
2012年3月4日と11日の2日間、一畑グループ創立100周年特別企画として車体塗装が南海電鉄時代のものに戻されました。3月31日から南海カラーでの運行を開始しました。
* 2015年2月3日に定期運用を終了し、3月に廃車解体されました。

運用の変遷

1997年2月20日に北松江線で運行を開始し、1998年10月1日からは大社線でも使用されるようになりました。特急「スーパーライナー」と急行「出雲大社号」を除く全列車で運用されました。2100系や5000系とは連結器や走行装置の違いから併結運転はできず、4両編成での運転時は、本系列を2編成連結して対応しました（非貫通のため、4両編成では車両間の移動はできませんでした）。

後継車両である7000系の導入に伴い、当初は2014年度から順次廃車される予定でしたが、新造車両の製造遅延により、3006編成は2016年度も引き続き運用されました。しかし、2017年1月20日に定期運用を終了し、21日・22日にさよなら運転を実施、その歴史に幕を閉じました。

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