一畑電車大社線

一畑電車大社線

一畑電車大社線は、島根県出雲市の川跡駅から出雲大社前駅に至る、全長8.3kmの鉄道路線です。この路線は、1990年に廃止されたJR大社線の代替として、出雲大社への唯一の鉄道路線としての役割を担い、観光輸送において重要な役割を果たしています。

概要

大社線は、北松江線と一部直通運転を行っており、多くの列車が川跡駅で両方面の列車に接続するため、乗り換えの利便性も確保されています。かつては、ワンマン化改造された旧型車両が専用で運行されていましたが、1998年に運用を終了し、現在は新型車両に置き換えられています。

路線データ

路線距離：8.3km
軌間：1067mm
駅数：5駅
複線区間：なし（全線単線）
電化区間：全線（直流1500V）
閉塞方式：自動閉塞式
最高速度：85km/h
IC乗車カード対応：なし

運行形態

運行本数は1時間に1～2本程度で、平日や休日の朝・夕方は川跡駅で北松江線に接続する線内折り返し列車が中心です。休日の日中は、出雲大社への参拝客向けに、松江しんじ湖温泉駅・電鉄出雲市駅から直通する列車が運行されます。

列車種別

特急
2013年4月1日に新設されました。
休日に電鉄出雲市発出雲大社前行きが1本運行され、大社線内はノンストップです。
過去には複数本運行されていましたが、ダイヤ改正により運行本数が変更されています。
急行
平日の朝と夕方に運行され、大社線内では浜山公園北口駅に停車します。
川跡発出雲大社前行きと出雲大社前発雲州平田行きが運行されています。
普通
各駅停車として運行され、平日と休日の朝・夕方以降は、北松江線に接続する線内折り返し運転が基本です。
平日には電鉄出雲市発や雲州平田発の列車も運行されます。
休日日中や初詣期間は北松江線直通列車が主体となります。

過去の列車

急行「出雲大社号」
かつては休日に出雲大社前発松江しんじ湖温泉行きが運行されていました。
5000系や2100系「ご縁電車しまねっこ号」が運用されていました。
2021年10月3日のダイヤ改正で廃止されました。

歴史

1923年の株主総会で出雲大社方面への延伸が決定し、当初は国鉄大社線との競合を避けるために現在のルートが採用されました。開通当初から電化路線であり、以下の歴史を辿っています。

1926年（大正15年）10月9日：鉄道免許状下付（川跡村～大社町間）。
1930年（昭和5年）2月2日：川跡～大社神門（現・出雲大社前）間が開業。
1966年（昭和41年）10月1日：CTC使用開始。
1970年（昭和45年）10月1日：大社神門駅を出雲大社前駅に改称。
1977年（昭和52年）6月24日：鑓ヶ崎駅を浜山公園北口駅に改称。
1978年（昭和53年）3月16日：ワンマン運転開始。
2006年（平成18年）4月1日：一畑電気鉄道から一畑電車へ鉄道事業を承継。
2013年（平成25年）4月1日：ダイヤ改正。特急新設、普通列車の運転系統変更。
2017年（平成29年）4月1日：ダイヤ改正。特急・急行「出雲大社号」削減、急行増便。
2021年（令和3年）10月1日：ダイヤ改正。普通・特急増発、急行「出雲大社号」廃止。
2024年（令和6年）4月1日：ダイヤ改正。休日日中直通列車の運行形態変更、特急削減。

駅一覧

全駅が島根県出雲市に所在します。途中駅での列車交換はできません。

参考文献

根宜康広『一畑電車がゆく 【松江〜出雲】神々の棲まう里を旅する』今井書店、1999年。

関連項目

日本の鉄道路線一覧

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