一粒の砂

一粒の砂

「一粒の砂」（ひとつぶのすな）は、日本のシンガーソングライター、村下孝蔵によって創作され、歌われた楽曲です。この曲は、1992年9月21日にSony Recordsから、彼の20枚目のシングルとして世に送り出されました。村下孝蔵のデビューから13年目を迎える時期に発表された、彼のキャリアにおける節目ともいえる作品の一つです。

リリース背景

1992年にリリースされたシングル「一粒の砂」は、その年の村下孝蔵の音楽活動において重要な位置を占めています。単体でのシングルカットとして発表されたのみならず、同年にリリースされたオリジナル・アルバム『名もない星』にも、全収録曲中5曲目として収められています。アルバム全体の流れの中でこの楽曲がどのように配置され、どのような響きを与えているかは、ファンにとって興味深い点と言えるでしょう。

タイアップと制作経緯

この「一粒の砂」は、特定の目的のために特別に書き下ろされた楽曲です。具体的には、1994年に広島で開催された第12回アジア競技大会（通称：広島アジア大会）の協賛企画として制作された紀行ドキュメンタリー番組のために、テーマソングとして提供されました。この企画は、地元の有力メディアである中国新聞社と中国放送が共同で手掛けたもので、番組名は『アジア・ピースロード』といいます。アジア各地を旅する中で平和へのメッセージを探るという番組の趣旨に合わせ、村下孝蔵が心を込めて詞とメロディーを紡ぎ出しました。番組内では、この「一粒の砂」という楽曲そのものに焦点を当て、その背景や村下孝蔵の思いに迫る特別回も放送され、多くの視聴者に感銘を与えました。楽曲が持つ普遍的なテーマと、番組が描くアジアの多様性や平和への願いが深く共鳴し、作品の持つメッセージ性がより強調される形となりました。

収録曲

シングル「一粒の砂」には、表題曲を含む2曲が収められています。どちらの楽曲も、村下孝蔵自身が作詞と作曲を手がけており、彼の音楽世界を深く感じ取ることができます。

1. 一粒の砂
作詞・作曲：村下孝蔵
編曲：武澤豊

シングルのタイトルを冠するメイン楽曲です。武澤豊による編曲が施されています。

2. ひとりごと
作詞・作曲：村下孝蔵
編曲：水谷公生

シングルのカップリング曲として収録されています。こちらの楽曲の編曲は水谷公生が担当しています。

これら2曲を通じて、当時の村下孝蔵の音楽的な志向や表現の一端を知ることができます。特に「一粒の砂」は、大規模な国際イベントに関連するメディア企画のテーマソングとして広く認知され、彼の代表曲の一つとして記憶されています。

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