一色正春

一色正春（いっしき まさはる）

一色正春は、1967年1月3日生まれの日本の元海上保安官であり、彼の名前は特に尖閣諸島中国漁船衝突事件において大きく取り上げられました。最終的に彼の階級は三等海上保安正で、事件後は「sengoku38」として知られるようになりました。彼はこの事件の映像を最初に動画共有サイトで公開したことで、社会的な注目を浴びました。

人物と経歴

京都府京都市で生まれ育った一色は、国立富山商船高等専門学校を卒業しました。学生時代には空手に熱心に取り組んでいたことが知られています。商船高専を卒業後は、海運関連の企業で外航航路の船員として働き、原油や天然ガスを輸送するタンカーに乗船していました。しかし、20代半ばに入ると不況の影響でこの職を離れ、サラリーマンや職人見習いとして日本での生活を始めました。

その後、海上保安官という道を選び、30歳の時に国家公務員試験を経て、海上保安庁に入局しました。国外の捜査や取り締まりにも関与する国際捜査官の役割を担い、語学力や空手で磨いた身体能力を活かして日韓の国際捜査に貢献しました。彼について同僚や上司は、「真面目で気さく」と評し、その職務の優秀さを称えていました。

2010年11月、尖閣諸島における中国漁船との衝突事件の映像を流出させたことで、一色は辞職に追い込まれました。この事件をきっかけに、彼はメディアや公の場に登場するようになりました。

尖閣諸島事件の経緯

一色は2010年10月から11月にかけて、尖閣諸島での中国漁船との衝突事件を撮影した映像を持っていました。彼はまずCNNの東京支局にこの映像が保存されたSDカードを郵送しましたが、CNNではその映像を怪文書として扱い、廃棄されてしまいました。映像が無視される中、一色は11月4日にネットカフェから「sengoku38」というアカウント名でYouTubeに動画をアップロードしました。自身の安全も考慮し、先に報道を行っていた場合は公表しなかったとも語っています。

投稿後、一色は読売テレビに連絡し、事件について語り始めました。自らが情報源特定されることを予想していたため、取材に応じたのはそのためでした。11月10日、彼は自身が動画を流出させたことを上司に告白し、以後も聴取に応じました。最終的に、一色は2010年12月に辞職届を提出し、海上保安庁からは停職12か月の懲戒処分を受けました。

「sengoku38」のアイデンティティ

「sengoku38」という名前には多くの考察が寄せられました。特に「sengoku」は、当時の内閣官房長官仙谷由人を揶揄する意味があったとも言われています。数字の「38」は様々な解釈がされますが、アカウント名が自動生成されたためだという意見もあります。この名前は一色自身によっても明かされておらず、謎を残す形となっています。

著書と活動

一色正春は著書も執筆しており、「何かのために sengoku38の告白」（2011年）や、「日本を守りたい日本人の反撃」（共著、2012年）などがあります。彼は主にTwitterを通じて主張を発信しており、ブログなどは持っていません。彼の論文「中国の狙いは尖閣だけではない」は、アパ日本再興財団によって最優秀賞を受賞しました。

現在の状況

海上保安官を辞めた後の一色の職業や生活については現在も詳細が明かされていませんが、彼の行動や主張は今もなお社会に影響を与えています。彼は公共の場で講演を行ったり、新聞などで意見を発表することが多く、その発言は注目されています。一色の行動は、国民にとっても新たな視点を提供し、議論を呼ぶ存在となっています。

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