一関市立中里中学校

一関市立中里中学校の歴史

一関市立中里中学校は、岩手県一関市中里に位置していた公立の中学校で、68年の歴史を有し、2015年に閉校した学校です。この学校は、1947年4月に中里村立中里中学校として設立され、翌1948年には一関市制の施行に伴い、一関市立中里中学校と改名されました。開校当初は別の学校と校舎を共用していましたが、1953年に大平山に独立校舎が完成し、23の教室が設置されました。

新たな校舎は、以後の増設により、体育館やその他の授業室も含まれるようになりました。この地域の学校として、一関市街地の一部も学区に組み込まれていましたが、校舎は森に囲まれた山の中腹に位置しており、自然豊かな環境でした。1958年には学校林が開設され、1967年には環境緑化実験校に指定され、以後数多くの緑化コンクールでも受賞を果たしました。

この中学校は、長年にわたり多くの表彰を受けており、特に1989年の読売全国小中学校作文コンクールでは全国特選表彰、1990年に小さな親切運動で全国表彰、1992年にはPTA活動が評価され文部大臣表彰を受けており、地域の教育においても大きな役割を果たしていました。

1960年代から70年代にかけて新築された校舎や体育館も閉校時まで利用され、その施設は2021年の時点で一関市内の他の小中学校に比べても老朽化しているものの、歴史的な価値を持つものでした。生徒数は2000年度以降の記録には波がありましたが、2006年度には125名とピークを迎え、その後は減少傾向が続きました。この一関市立中里中学校は、約500メートル南に位置していた一関市立山目中学校と対照的で、山目中学校は常に450人以上の生徒が在籍していました。

統合と閉校

周辺環境の変化や生徒数の減少に伴い、2014年度時点では78名の生徒が在籍し、全学年の生徒が一学級に編成されるという状況になっていました。2015年3月22日に閉校式が行われ、長年受け継がれた郷土芸能「鶏舞」の披露や閉校記念碑の除幕式が行われ、約5,926人の生徒がこの学校から巣立つこととなりました。閉校は3月31日付けで、翌年4月には新設の一関市立磐井中学校が開校されました。

なお、2023年時点でも校舎などの施設は残存しており、その中には建設から70年を経た校舎もあります。当校の教育目標は、意欲的な学び、思いやり、そして体力向上の3つに軸を置いていました。部活動は運動部と文化部に分かれて活動しており、野球部やサッカー部、テニス部など多彩な活動が行われていました。

このように、一関市立中里中学校は多くの生徒とともに時を刻み、地域に愛された学校であったことが窺えます。学び舎としての歴史は閉じられましたが、その教え子たちはこの土地で新たな未来に向かって羽ばたいていることでしょう。

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