一陣会

一陣会（イルジンフェ）

一陣会（イルジンフェ、韓国語: 일진회）とは、大韓民国において主に学校内での暴力行為に関与する地域連合組織を指します。単独の不良グループではなく、インターネットなどを活用して広範囲に連携を築いている点が、従来の校内暴力組織とは一線を画す特徴とされています。この組織は、韓国におけるいじめ問題の中心的な存在として認識されています。

活動内容

一陣会の活動は多岐にわたり、その内容は極めて深刻です。

暴力・恐喝: メンバーによる校内での暴力行為は日常的に行われ、恐喝、暴行、さらには輪姦などの非人道的な犯罪行為を含むケースも報告されています。被害者は身体的・精神的に深い傷を負います。
集団カンニング: 携帯電話などの通信機器を利用した組織的な集団カンニングも、一陣会の主要な活動の一つです。不正行為によって学業成績を操作しようとします。
* 性的なイベント: 「セックスマシーン」「性奴隷イベント」といった隠語で呼ばれる、メンバー間での性行為を伴うイベントを主催しているとの報告もあります。これは人権を無視した極めて悪質な行為です。

これらの活動に加え、一部の一陣会組織では、暴力団のような階層的な上納システムが構築されている例も指摘されており、その組織性の高さがうかがえます。

組織の特徴と変遷

校内暴力の主体は男性であるという一般的なイメージがありますが、一陣会においては女性メンバーも積極的に活動に関与している点が特筆されます。組織は当初、主に高校で生まれたと見られていましたが、その後急速に低年齢化が進み、現在では中学校、さらには小学校高学年の児童の間にも拡大しているとされています。この低年齢化は、問題の根深さを示しています。

「一陣会」という言葉自体は、およそ2000年代初頭から韓国社会で使われ始めたとされています。しかし、その存在が広く社会に認識され、問題視されるようになったのは2005年頃からです。この年、複数のマスメディアが立て続けに一陣会の実態を報道したことで、社会的な関心が一気に高まりました。これを受けて、韓国の警察当局も一陣会の摘発に本格的に乗り出すこととなりました。

一陣会は、韓国社会が抱える校内暴力やいじめ、青少年の非行といった問題の複雑さを示す存在であり、その活動は被害者に甚大な影響を与え続けています。

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