七人の敵がいる

『七人の敵がいる』

概要

『七人の敵がいる』は日本の作家、加納朋子による連作短編小説集です。この作品は、一般的な家庭の中で繰り広げられる人間関係の葛藤を描いており、特に母親として多忙な日々を送る主人公による奮闘記となっています。2012年には、同作を原作としたテレビドラマ『七人の敵がいる! 〜ママたちのPTA奮闘記〜』が放送され、多くの視聴者の支持を受けました。

あらすじ

物語は、主人公の山田陽子が語り手です。陽子は仕事に追われる編集者であり、家庭やPTA活動をこなそうと奮闘しています。彼女は高い学歴や収入、スタイルを持つ一方で、少々強気な性格が災いし、周囲の人々としばしばトラブルを引き起こします。特に、初めて参加する保護者会での発言が不評を買い、息子のクラスメートの母親たちを敵に回すことに。この出来事をきっかけに、彼女の周囲には次々と敵が増えていき、家庭内でさえ息子や夫との関係がぎくしゃくすることとなります。

登場人物

• - 山田陽子（やまだ ようこ）: 本作の主人公である編集者。仕事に多忙を極める彼女は、自身の強気な性格から他者と対立しがち。夫と義母との関係も複雑で、現代の働き母の苦悩を象徴しています。
• - 山田信介（やまだ しんすけ）: 陽子の夫であり、普通の会社員。育児にはあまり参加しないが、陽子の努力を見て協力しようと決意します。
• - 玉野遥（たまの はるか）: 陽子の友人で看護師。物おじしない性格で、陽子との対照的なキャラクター。
• - 村辺（むらべ）: 陽子と同じく給食費の集金係をしていたが、過去にトラブルを抱えており、陽子に相談を持ちかけることになります。
• - 五十嵐（いがらし）: シングルマザーの母親で、陽子と同様にPTA活動に関与しています。
• - 山田敏枝（やまだ としえ）: 陽子の義母で、内心では陽子に主婦業をしてほしいと思っています。
• - 上条圭子（かみじょう けいこ）: PTAの会長で、他の母親たちからの信望を集めている存在です。

テレビドラマ

この小説は、2012年に『七人の敵がいる! 〜ママたちのPTA奮闘記〜』としてテレビドラマ化されました。ドラマ版では、原作とは異なるキャラクターやストーリー展開が行われ、多くの視聴者に支持されました。また、主題歌としてたむらぱんの「new world」が使用され、エンディングテーマには斎藤工の「ONE MORE TRY!!」が流されました。

まとめ

『七人の敵がいる』は、現代社会における母親たちの苦労と葛藤を鮮烈に描いた作品です。陽子がどのように周囲の敵と対峙し、成長していく様子は、多くの読者に共感を呼び起こします。家事や育児、仕事に追われる中での人間関係の難しさを深く掘り下げたこの作品は、多くの人々の心に響くストーリーとなっています。

もう一度検索