七福星

映画「七福星」について

『七福星』（しちふくせい）は、1985年に公開されたサモ・ハン・キンポーが監督・主演を務めるアクション・コメディ映画です。本作は福星シリーズの第三弾で、前作『五福星』から続くストーリーを描いています。また、ジャッキー・チェンも準主役として出演し、その存在感は一際光ります。

作品の背景

この映画は当初、ジャッキー・チェンが多忙なスケジュールの影響を強く受けていました。撮影中、彼は異なるプロジェクトである『ポリス・ストーリー』や『ファースト・ミッション』と並行して仕事をしていたため、非常に過密なスケジュールをこなさなければなりませんでした。その結果、彼は充分な睡眠を確保することができず、撮影中に仮眠を取ることが日常となっていました。

ある日、疲労の蓄積が限界に達し、ジャッキーは撮影現場でサモ・ハンに対して「もう俺を殺してくれ」と叫びました。この言葉を受け、サモはストーリーを急遽変更し、ジャッキー演じるマッスルが銃で撃たれるという展開にしました。このため、ジャッキーの出演シーンは途中で打ち切られ、彼は映画の中で敗北を経験することになります。この出来事について、ジャッキーは後に「僕が負けたまま終わった作品は、これが唯一だ」と語っています。

撮影の苦労

本作の撮影は、ゴールデン・ハーベストの暑いスタジオで行われました。気温は40度近くになり、撮影現場は非常に過酷でした。サモ・ハンは「2週間以上、毎日毎日練習していました。その中で、パンチやキックが実際に当たっているため、かなりの体力を要しました。特に、ジャッキーとの共同作業は困難を伴い、私たちはともに手を骨折しながらこの作品を完成させました。NGが60回を超えたのも、この厳しい条件が影響しています」と述懐しています。

ストーリー

本作では、前作で日本のマフィアに壊滅的な打撃を与えた五人組が、タイのパタヤ・ビーチでバカンスを楽しむ場面から始まります。彼らは、暗殺者の動向を追う特捜刑事のマッスルとリッキーにとっての重要なターゲットである女優志望のワンを庇護する考えを思いつきます。この思いつきがきっかけとなり、暗殺者、刑事、そして五人組の間でのハチャメチャな大乱闘が展開されます。

日本での公開

映画は1987年に日本で公開され、ジャッキー・チェンの主題歌「無問題」が日本版の楽曲として使用されました。この楽曲は、彼の輝かしいキャリアの中でも特に注目すべきものであり、彼の全盛期のラストシングルとなりました。映画の影響力を考えると、この作品は今なお多くのファンに愛され続けています。

キャスト

本作には、カメオ出演者として多くの著名な俳優が名を連ねています。その中には、ジョージ・ラムやディニー・イップなどが含まれ、豪華な顔ぶれが揃っています。また、1990年にはテレビ東京にて放送され、その際には新たに追加収録された吹き替え版も提供されました。2024年にはエクストリーム・エディション版BDが発売予定です。

結論

『七福星』は、サモ・ハン・キンポーの監督・主演によるアクション・コメディ映画として、ジャッキー・チェンの主演作と共に特異な地位を確立しています。撮影の苦労やストーリーの曲折、豪華なキャストは、今もなお多くの人々に語り継がれています。

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