七集 (増支部)

七集（しちしゅう）について

『七集』（Sattaka-nipāta）は、パーリ言語による仏教経典の一部で、仏典公開文献の増支部に属します。この経典は、全体で1132の経を含む11個の品から構成されており、仏教の教えや実践に深く関わる内容が記されています。

構成と内容

初の五十

七集は初めに五つの主要なカテゴリで構成されています。それぞれの品がどのようなテーマに焦点を当てているかを以下に示します。

1. 財品（Dhana-vaggo）: (1-10)
- この品では、物質的な富や資産に関する教えが述べられており、正しい富の使い方や、物質的な豊かさが人に与える影響について考察されています。

2. 随眠品（Anusaya-vaggo）: (11-20)
- 随眠は煩悩の根源とされ、この品では自らの隠れた欲望や感情を見つめ直す重要性について解説されています。

3. 跋耆品（Vajjisattaka-vaggo）: (21-31)
- 人間関係や道徳のあり方について語るこの品は、他者との調和を保つための指針が示されており、正しい行動がもたらす結果について洞察を与えています。

4. 天品（Devatā-vaggo）: (32-43)
- こちらでは、天界や神々に関する描写がなされ、信仰や祈りの重要性が強調されています。

5. 大供犧品（Mahā-yañña-vaggo）: (44-53)
- この品は供養や奉納の意義について詳述されており、他者への感謝や恩返しの大切さが感じられます。

五十所不摂品

続いて、五十所不摂品に分類される6つの品が展開されます。

6. 無記品（Abyākata-vaggo）: (54-64)
- 説明が明確でない、または理解が難しい教えが含まれており、瞑想や内面的な実践が奨励されています。

7. 大品（Mahā-vaggo）: (65-74)
- 大乗的な観点からの教えが多く、大きな視点からの人生観について学ぶことができます。

8. 律品（Vinaya-vaggo）: (75-84)
- 仏教徒が守るべき倫理規定や生活規範について、明確なガイドラインが提供されています。

9. 沙門品（Sāmañña-vaggo）: (85-94)
- 修行者としての姿勢や生活のあり方について指導が行われています。

10. 応請品（Āhuneyya-vaggo）: (95-622)
- 他者からの請いに対する応じ方がテーマとなり、社会的な役割における振る舞いが触れられています。

11. 貪品（Rāga-peyyālaṃ）: (623-1132)
- 貪欲や欲望に関する教えが集約されており、これらの感情をどう扱うか、智慧をもってコントロールする方法が解説されています。

日本語訳

この重要な経典の日本語訳は『南伝大蔵経・経蔵・増支部経典4』として大蔵出版より出版されており、広く利用されています。

関連項目

『七集』は仏教の学問や実践において非常に重視される文献です。仏教の教えに興味がある方や、深い人生観を探求する方にはぜひ一読をお勧めします。

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