大蔵出版

大蔵出版株式会社は、1932年に高楠順次郎をはじめとする仏教学者らによって設立された、日本の仏教専門出版社です。仏教書総目録刊行会の幹事社も務めています。

主要な出版物として、『大正新脩大蔵経』、『南伝大蔵経』といった重要な仏典・経典の原典、詳細な注釈書、そして仏教に関する専門書籍を幅広く刊行しています。これらの出版物は、仏教研究者や仏教に関心を持つ人々にとって、貴重な資料となっています。

特に著名なシリーズとして、『佛典講座』があります。これは、著名な仏教学者たちが翻訳と注釈を手掛け、十数年の歳月をかけて30数冊が刊行されました。仏教の教えを深く理解するための入門書として、多くの人々に親しまれています。

さらに、1993年からは「新国訳大蔵経」の刊行も開始されました。これは、新しい世代の仏教学者たちが研究と解説を担当し、現代的な視点から大蔵経を読み解く試みです。時代に合わせた新しい解釈を提供することで、仏教の教えをより身近に感じられるようにしています。

また、大蔵出版はダライ・ラマの講演集も刊行しており、現代における仏教の指導者の言葉を広める役割も担っています。

2015年には、同じく仏教書出版社の老舗である大法輪閣の関連会社となり、両社の連携によって、より幅広い読者層に仏教書を提供することが期待されています。

大蔵出版は、国立国会図書館が著作権の保護期間が終了した『大正新脩大蔵経』などをインターネットで公開することに対し、出版業界団体を通じて異議を申し立てたことがあります。その際、社長は「著作権が切れても刊行中であるならば商業道徳に反する」と主張しました。青空文庫などの活動については、今回のケースとは異なるとの見解を示しています。

主な刊行シリーズ

『大正新脩大蔵経』
『南伝大蔵経』
『新国訳大蔵経』
『パーリ仏典』（片山一良訳）
『仏典講座』

関連項目

仏教書総目録
日本の出版社一覧
国訳一切経 - 大東出版社

外部リンク

* 大蔵出版

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