万国規格統一協会

万国規格統一協会（International Federation of the National Standardizing Association, または International Standardizing Association、略称ISA）は、国際的な標準化を推進するために設立された非政府組織です。1926年に事実上の発足、1928年に正式に発足し、合理化カルテルを推進する役割を担いました。しかし、第二次世界大戦の影響により、1942年に活動を停止しました。

設立当初、協会はニューヨークに拠点を置いていましたが、事務局はスイスに置かれていました。協会の定款には、以下の二つの主要な目的が掲げられていました。

1. 国際標準は、営利を目的とせず、関係者のコンセンサスと平等な選挙制度に基づいて策定されるべきであるという原則を確立し、国際標準の最終的な権威を各国の産業標準に根付かせること。
2. 各国における標準化活動に関する情報交換のためのシンプルかつ体系的な方法を提供し、標準化に対する国際的な理解を深めるための幅広い活動を展開すること。

協会の初代会長は、スイスのC. Hoenigが務めました。発足時の役員には、ベルギーのG. L. Gérard、ドイツのe. h. W. Hellmich、オランダのB. M. Gratama、スウェーデンのEnström、チェコスロバキアのV. Listなど、各国の代表者が名を連ねました。総書記は、チューリッヒのA. Huber-Rufが担当しました。

日本の参加については、経済産業省の記録によると、工業品規格統一調査会（1921年設立）が1929年にISAに加盟しています。ISAでは、ねじ、ボルト・ナット、標準数、公差など、10の分野で標準化活動が行われました。

第二次世界大戦終結後の1944年、連合国規格調整委員会（UNSCC）がロンドンで設立されました。2年後、活動を停止していた万国規格統一協会はUNSCCと合流し、新たに国際標準化機構（ISO）が誕生しました。1947年に設立されたISOの技術委員会（TC）のメンバー67名のうち、約3分の2がISA出身者であったことは、ISAがISOの設立に重要な役割を果たしたことを示しています。

万国規格統一協会は、国際標準化の初期段階において、その基盤を築いた重要な組織です。その活動は短期間に終わりましたが、その理念と活動は、今日の国際標準化活動に深く影響を与えています。特に、営利目的ではなく、コンセンサスに基づいた標準化という考え方は、ISOの設立理念にも受け継がれています。

もう一度検索