万多親王

万多親王（まんだしんのう）

万多親王は、平安時代初期に活躍した皇族であり、桓武天皇の第五皇子です。彼の初名は茨田ですが、後に万多という名に改名しました。官位は二品・大宰帥であり、死後に贈一品を受けるなど、彼の生涯は朝廷において重要な役割を果たしました。

生涯と経歴

万多親王の経歴は夥しい功績で彩られています。延暦14年（795年）、彼は周防国から田百町、山八百町を賜りました。このように土地を与えられたことは、彼の地位の証でもありました。その後、延暦20年（801年）には元服を迎え、本格的な社会生活を始めました。

嵯峨天皇の時代には、右大臣の藤原園人と協力して『新撰姓氏録』の編纂に携わりました。この歴史的な作業は弘仁5年（814年）に完成し、平安時代の貴族社会において重要な文献とされています。万多親王はこの時、官位は四品で中務卿としての役割も果たしていました。

万多親王は弘仁8年（817年）に三品に叙せられ、弘仁14年（823年）には式部卿に任じられ、その地位を高めていきました。天長5年（828年）には大宰帥に任命され、天長7年（830年）4月には二品に昇進しましたが、同月21日に44歳で薨去しました。彼の死後、即日一品が贈られる栄誉を受けました。

家族と系譜

万多親王の父は桓武天皇であり、母は藤原小屎で、金剛寺の藤原鷲取の娘です。妻についての記録は残っていませんが、彼は三人の息子、正行王、雄風王、正躬王を持ちました。正行王は858年まで生き、桓武天皇の血筋が続いていく一助となりました。これらの息子たちもその後の貴族社会において重要な役割を果たすことになるでしょう。

歴史的意義

万多親王は、平安時代における文書編纂や官位の昇進を通じて、皇族としての役割を果たし続けました。特に『新撰姓氏録』の編纂は、後の日本の貴族社会に多大な影響を与えることになります。彼の業績は、当時の社会や文化、さらには政治体系に深く関わっており、その名は今日においても残ることとなるのです。

万多親王の生涯は、政治家としての成功と皇族の存在意義を示すものであり、後の世代へと引き継がれる重要な歴史的遺産です。

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