万富次郎

万富次郎（よろず とみじろう）は、明治20年（1887年）12月16日に生まれ、日本の内務官僚として活躍しました。彼の足跡は、地方行政における多様な役職を通じて、日本の発展に貢献したことで知られています。没年は明らかになっていません。

岩手県和賀郡十二鏑村（現在の花巻市）に生まれた万は、幼少期から学問に励み、岩手県立遠野中学校、第一高等学校を経て、大正5年（1916年）に東京帝国大学法科大学を卒業しました。当時のエリートコースを歩んだことが伺えます。

大学卒業後、万は内務省に入省し、長崎県警部としてキャリアをスタートさせました。その後、工場課長、保安課長、商工水産課長、農林課長と、様々な分野の課長を歴任し、その行政手腕を発揮しました。さらに、長野県では蚕糸課長、地方課長、庶務課長を歴任し、地域産業の振興に貢献しました。

その後、万は宮崎県学務部長、愛媛県警察部長、宮城県警察部長、佐賀県内務部長といった要職を歴任し、地方行政の中枢を担いました。これらの役職を通じて、治安維持、教育行政、地域振興など、多岐にわたる分野でその能力を発揮し、地域社会の発展に尽力しました。

退官後、万は東京市本所区長に就任し、区政の運営に携わりました。また、東京市社会局庶務課長、同職業課長を歴任し、社会福祉の向上や職業安定に貢献しました。その後、日本米穀株式会社名古屋支店長を務め、食糧の安定供給に尽力しました。

万富次郎は、内務官僚として、地方行政の様々な分野で重要な役割を果たし、日本の発展に貢献した人物として、その名は記録されています。

参考文献

『御大典記念 岩手県名士肖像録』岩手県名士肖像録刊行会、1930年。
帝国秘密探偵社編『大衆人事録 第14版』帝国秘密探偵社、1943年。

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