和賀郡

和賀郡の概要

岩手県に位置する和賀郡は、豊かな自然と歴史を秘めた地域です。2024年11月1日時点での推計人口は約4,445人、面積は約590.74平方キロメートルと、比較的広大な面積を有しながらも、人口密度は7.52人/km²と低くなっています。現在、郡内には西和賀町1町のみが所属しています。

郡の西部には、和賀山塊と呼ばれる標高1,000m級の山々が連なり、日本最大級規模を誇るブナの巨木が生い茂る原生林が広がっています。秋田県との県境をなすこの山々は、郡の自然環境の大きな特徴となっています。

歴史

和賀郡の歴史は古く、平安時代まで遡ります。811年（弘仁2年）、和賀郡は稗縫郡、斯波郡とともに「志波三郡」として成立し、胆沢[[郡]]、江刺郡、磐井郡とともに「律令期の六郡」を構成しました。この時代、徳丹城が築かれ、政治の中心地としての役割を果たしました。その後、斯波郡の領域拡大に伴い、岩手[[郡]]が分離独立し、磐井郡が多賀城領に編入されるなどの変遷を経て、「奥六郡」が成立します。

明治維新後、1869年（明治2年）には陸奥国から陸中国に移管され、盛岡藩の支配下に置かれました。戊辰戦争後の処分により、盛岡藩の領地は没収され、信濃松本藩の支配下となり、一時「花巻県」を称しました。その後、白石藩、盛岡県などを経て、1871年（明治4年）に盛岡藩が廃藩となり、盛岡県が設置されます。翌1872年（明治5年）、盛岡県は岩手県と改称されました。

1878年（明治11年）、郡区町村編制法の施行に伴い、行政区画としての和賀郡が成立しました。当初は現在の北上市の大部分、花巻市の一部、金ケ崎町の一部、西和賀町の全域を含んでいましたが、1879年（明治12年）に東和賀郡と西和賀郡に分割され、和賀郡（第1次）は廃止されました。

その後、1897年（明治30年）、郡制の施行により、東和賀郡と西和賀郡の大部分（相去村を除く）を統合して和賀郡（第2次）が成立しました。郡役所は黒沢尻町（現在の北上市）に設置され、その後、昭和初期まで地域行政の中心として機能しました。

昭和から平成にかけて、町村合併が繰り返し行われ、郡の区域は徐々に変化していきました。北上市や花巻市への編入など、様々な変遷を経て、現在は西和賀町1町のみが和賀郡に属しています。

行政区画の変遷

和賀郡の行政区画は、明治以降、幾度も変更されてきました。当初は広範囲にわたる地域を包含していましたが、町村合併や市町村合併を繰り返す中で、現在の1町体制へと変化を遂げました。この過程において、北上市や花巻市といった近隣市町村との関係性も大きく変化し、現在の和賀郡の姿が形作られてきたといえるでしょう。

まとめ

和賀郡は、長い歴史と豊かな自然に彩られた地域です。平安時代の律令制下での成立から、明治以降の行政区画の変遷、そして近年の市町村合併まで、複雑で興味深い歴史を歩んできました。雄大な自然と歴史的背景を併せ持つ和賀郡は、岩手県の魅力を語る上で欠かせない存在です。 今後の発展にも注目が集まります。

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