万智

万智（まち）は、2003年6月3日に栃木県で誕生した日本の女性総合格闘家です。フリーランスとして活動する彼女は、その若い世代を牽引する存在として注目を集めています。

彼女の格闘技への道のりは、柔道から始まりました。小学校3年生の頃から高校3年生まで、約10年間にわたり柔道に打ち込み、特に中学2年生時には県大会で優勝するという実績を残しています。競技への真摯な取り組みは、その後の総合格闘技キャリアにも繋がる強靭な精神力と身体の土台を築きました。

総合格闘家を志すようになったのは、中学生時代にテレビで観戦したRIZINがきっかけです。その試合の激しさとドラマに深く感銘を受け、「自分もあの舞台で戦いたい」という強い思いを抱くようになりました。高校時代には怪我に悩まされる時期もありましたが、その夢を諦めることなく、高校3年生の時に格闘技ジムに入会。プロを目指すための第一歩として、アマチュアの舞台で経験を積み始めました。

プロキャリアは、国内女子格闘技の主要団体であるDEEP JEWELSでスタートしました。2022年11月22日、DEEP JEWELS 39大会でプロデビューを飾ります。その後、2023年2月18日のDEEP JEWELS 40では、対戦相手のHIME選手から1ラウンド中にリアネイキッドチョークで一本勝ちを収め、プロ初勝利をマークしました。さらに同年5月に行われたDEEP JEWELS 41では、自身初の国際戦として韓国のキム・ユジョン選手と対戦。グラウンドでの優位性を活かし、テイクダウンから強烈なパウンドや肘攻撃で攻め立て、最終的にアメリカーナによる一本勝ちを収めました。この勝利により、プロデビューから3連勝という好調なスタートを切っています。

国内最高峰の舞台であるRIZINへの参戦も果たしています。2023年10月1日、RIZIN LANDMARK 6大会で満を持してRIZINデビュー。ここでは、修斗の現役王者であった渡辺彩華選手と対戦し、フルラウンドにわたる激闘の末、判定2-1という僅差で勝利を掴み取りました。この一戦は、彼女が国内トップクラスの実力者であることを証明する試合となりました。

DEEP JEWELSでは、団体のストロー級暫定王座を巡る戦いにも挑んでいます。2023年11月23日開催のDEEP JEWELS 43では、アマチュア時代に一度敗れた経験のある松田亜莉紗選手との暫定王座決定戦に臨みましたが、判定2-3という僅差で惜しくも敗れ、王座獲得はなりませんでした。翌2024年5月26日のDEEP JEWELS 45でも、再びストロー級暫定王座決定戦に出場。実力者であるパク・シウ選手と対戦しましたが、こちらも判定1-4で敗退し、二度目の王座挑戦も実りませんでした。

しかし、RIZINの舞台では再び存在感を示しています。2025年3月30日に行われたRIZIN.50では、パク・ソヨン選手と対戦。2ラウンド4分4秒、グラウンド状態でのパウンドによりTKO勝利を収め、RIZINでの通算成績を2勝0敗としています。

そして、2025年6月14日には、RIZIN LANDMARK 11大会で、かつてパンクラスのストロー級クィーンの座に君臨したソルト選手との対戦が予定されており、彼女のキャリアにおける重要な一戦となることが見込まれます。

若くしてプロの舞台で活躍し、DEEPとRIZINという二つのメジャー団体で経験を積む万智選手。特にグラウンドでの強さには定評があり、今後のさらなる成長と、再び訪れるであろう王座挑戦の機会に期待が寄せられています。

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