三一節

三一節：韓国の独立と民族の誇りをたたえる日

3月1日、韓国では「三一節（サミルチョル）」という祝日が祝われます。この祝日は、1919年3月1日に起こった三・一独立運動を記念する日として、韓国国民にとって非常に重要な意味を持ちます。

三・一独立運動と三一節の制定

1919年、日本統治下にあった朝鮮では、独立を願う民衆による大規模な抗日運動である三・一独立運動が勃発しました。この運動は、朝鮮半島全土に広がり、多くの犠牲者を出しましたが、韓国の独立への強い意志を示すものとなりました。

三一節は、この三・一独立運動を記念するために制定されました。1946年3月1日に行われた第27回記念式典において国家慶祝日に指定され、1949年10月1日には「国家慶祝日に関する法律」で正式に祝日と定められました。その後、2005年12月29日の法律改定を経て、現在に至っています。

韓国の5大国慶日

三一節は、制憲節（7月17日）、光復節（8月15日）、開天節（10月3日）、ハングルの日（10月9日）と並んで、韓国の5大国慶日に数えられています。これらの祝日は、韓国建国の歴史と文化を象徴する重要な日であり、国民のアイデンティティを形成する上で重要な役割を果たしています。

三一節の意義と国民の祝祭

三一節は、単なる祝日ではなく、韓国国民が独立運動の精神と意義を振り返り、民族の誇りを再確認する日です。この日には、政府主催の記念式典が行われ、独立運動で犠牲となった人々への追悼と感謝の思いが捧げられます。

一般家庭では、太極旗（韓国の国旗）を掲揚し、三一節の意義を改めて心に刻みます。また、各地では、三・一独立運動当時の「万歳運動」を再現するイベントなどが行われ、当時の熱気と独立への強い意志を想起させる機会となっています。

三一節と大韓民国憲法

1948年に制定された大韓民国憲法の前文には、「大韓国民は、3・1運動で建立された大韓民国臨時政府の法統と、不義に抗拒した4・19民主理念を継承し～」という記述があります。これは、日本統治時代の朝鮮において、李承晩などによって設立された大韓民国臨時政府が、大韓民国の前身として位置付けられていることを示しています。三一節は、この大韓民国臨時政府の設立と、続く独立運動の精神的基盤を想起させる重要な日と言えるでしょう。

まとめ

三一節は、韓国の歴史と国民のアイデンティティを深く理解する上で欠かせない祝日です。単なる祝日としてだけでなく、韓国の独立と民主主義への歩み、そして民族の誇りを再認識する機会として、これからも大切に受け継がれていくことでしょう。

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