李承晩

李承晩について

李承晩（イ・スンマン、1875年3月26日 - 1965年7月19日）は、朝鮮の独立運動家として知られ、大韓民国の初代大統領としても名を馳せた。彼の本貫は全州李氏で、号は「雩南」とし、字は「承龍」となる。彼は朝鮮民主主義人民共和国、すなわち北朝鮮においては「リ・スンマン」と呼ばれることがある。これは韓国で語頭子音が脱落する現象によるものだ。

生い立ちと教育

李承晩は、京畿道開城市近くの馬山面大慶里で生まれた。彼は幼少期から漢学を学び、1896年にはアメリカ人の宣教師によって設立された培材学堂で学び始める。この時期に彼は朝鮮の独立活動にも深く関与し、徐載弼らと共に独立協会を結成。また、高宗皇帝の退位を要求する檄文を散布したことで、投獄される。投獄中にはキリスト教に入信する。

アメリカでの活動

1904年に特赦を受けて出獄後、アメリカへと渡った李は、ジョージ・ワシントン大学、ハーバード大学、プリンストン大学で学び、博士号を取得する。その後、彼は朝鮮の独立を求める運動を展開し、大韓民国臨時政府の大統領に推された。しかし、派閥抗争により、彼は失脚し、以後はハワイに拠点を移すこととなる。

大韓民国の初代大統領

1945年、第二次世界大戦の終結後、彼は帰国し、1948年に大韓民国の初代大統領に就任する。彼は朝鮮戦争中も指導的な立場にあったが、政権が不正選挙や拷問、暗殺といった手法を用いる中で、政治は混乱を極めた。特に済州島四・三事件や保導連盟事件は彼の政権下で起こり、数万人が命を落とした。

経済政策と対日政策

李承晩政権の時代、彼は朝鮮戦争の影響で経済が壊滅的な状態にあった中、アメリカからの支援を受け、経済復興を試みたが、成功には至らなかった。反共主義の立場から、日本に対して強硬な姿勢を崩さず、李承晩ラインによる海洋主権の主張が国際的な問題を引き起こした。この政策は竹島の領有権を巡る争いとも関連しており、現在も日本との間で摩擦を生んでいる。

四月革命と亡命

李承晩は1960年の大統領選挙で不正が指摘された結果、国民の反発を受けて四月革命が発生し、彼は辞任を余儀なくされる。彼はハワイへ亡命し、その地で生涯を閉じることになる。彼の在任期間中の独裁的な統治スタイルは、今日でも韓国における評価は分かれる。

結論

李承晩は韓国の歴史において極めて重要な存在であり、独立運動から朝鮮戦争、そして国の建国に至るまでの過程に深く関与した。しかし、彼の政治手法や政策は多くの批判を呼び、その後の韓国の民主化運動の背景にも影響を与えた。

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