三井住友銀行本店ビルディング

三井住友銀行 本店ビルディングと東館：丸の内にそびえるメガバンクの拠点

三井住友銀行本店ビルディングは、東京都千代田区丸の内に位置する高層ビルで、三井不動産が所有し、三井住友銀行が本店として全館を賃借しています。このビルは、三井不動産にとって丸の内地区における3棟目のオフィスビルであり、日比谷通りを挟んだ向かい側にある三井住友銀行東館と共に、同行の中枢を担う重要な拠点となっています。

歴史：日本鋼管本社ビルから三井住友銀行 本店ビルへ

この地には、かつて日本鋼管本社ビル（後にJFEビルディング）が建っていました。1974年に竣工したこのビルは、2001年に不動産証券化により日本ビルファンド投資法人に売却されましたが、日本鋼管は賃借を続け本社機能を置いていました。その後、JFEホールディングスの発足に伴いJFEビルディングに名称が変更されました。2006年には三井不動産が信託受益権の一部を取得しましたが、JFEスチールの退去により、三井不動産は賃貸ビルとしての価値が低下していると判断し、建て替えを決定しました。

旧JFEビルは、三信ビルディングと日比谷三井ビルディングと共に一体で建て替えられることになり、三井住友銀行は、日比谷三井ビルから新本店を構えることを提案され、これを受け入れました。そして、2010年7月に三井住友銀行本店ビルディングが竣工しました。

建築：最新技術と環境性能を誇るオフィスビル

本店ビルディングは、地下鉄大手町駅に直結した地下4階、地上23階建てです。旧JFEビルの解体には21ヶ月を要し、全体工期は39ヶ月となりました。工事にあたっては、周辺のオフィスビルやシティホテルへの配慮から、24時間施工を行い、夜間には騒音の少ない工程を割り当てました。

通常、ビル建設では「逆打ち工法」が用いられますが、本店ビルディングでは地下部分の埋め戻しによる工期ロスを軽減するため、「二段打ち工法」を採用しました。この工法により、地下の外周壁を残したまま、地下4階から地下1階へのRC構造と、1階から上層階への鉄骨構造を並行して進めることができました。

外観は、東面と西面に構造柱を張り出し、室内には柱がないデザインとなっています。柱は直射日光を遮る役割も果たします。外装には割肌の石材を使用し、南面と北面には水平のルーバーを設置しました。また、エレベータシャフトに隣接して光ダクトを設け、エレベータホールには自然光を取り入れています。さらに、水蓄熱システム、屋上緑化、地域冷暖房などを採用し、CASBEE基準Sランクの環境性能を実現しました。

オフィス空間は、天井高2.8m、約650坪の無柱スペースとし、最新の耐震・セキュリティ・情報化設備を導入しています。2010年10月18日には営業を開始し、分散していた本店機能を集約しました。ただし、一部の業務は大手町一丁目三井ビルディングで行われています。

三井住友銀行東館：自社ビルとしての新たな拠点

日比谷通りを挟んで向かい側には、三井住友銀行東館があります。これは、大手町本部ビル（旧：東京新住友ビルディング）跡地に建設された、地下4階、地上29階建ての建物です。本店ビルディングは三井不動産が建設し、同行が賃借する形でしたが、東館は同行が自社ビルとして建設し、日比谷・大手町に分散していた本社機能の大手町への統合が完了しました。これら2棟が、三井住友銀行の本社機能を担っています。

東館も本店ビルディングと同様に、「伝統・先進性・本物」をコンセプトとしており、皇居に近い立地を考慮し、日本を代表するメガバンクにふさわしい風格を備えています。外観は、低層階では地区計画による景観ガイドラインに従い、石の基壇を形成し「伝統と安定」を表現しています。高層部は、石と金属の対比により先進性を表現し、構造と環境配慮を融合させたデザインとなっています。

オフィス空間には、ダブルスキン構造を採用し、主要幹線道路からの騒音を緩和しています。また、キャビティ内に構造柱を配することで、柱型のないフレキシブルな執務空間を実現しています。

東館は、事業継続計画（BCP）に配慮し、主要機械室を地上化して水害対策を講じ、災害時には数時間施設を稼働できるような電源・熱源の冗長構成を実現しています。その結果、災害に強い銀行ビルとなっています。また、各種環境配慮の取り組みにより、2015年6月にはCASBEE Sクラス認証を取得しています。

東館には、本部部署や関連会社の他に、東京健康サポート室が入っています。また、2021年7月からはSMBC信託銀行が西新橋と東新宿から本社・本部機能を移転し、11月22日には4階に本店営業部を開設しました。

三井住友銀行東館ライジング・スクエア：地域に開かれた空間

東館の地下1階から地上3階には、ライジング・スクエアというスペースが設けられています。地下1階には店舗、1階には企画展やロビーコンサートなどが開催されるアースガーデン、2階には体験型ミュージアムである金融/知のLANDSCAPE、3階にはロールバックチェア方式による最大500名収容可能な多目的ホールSMBCホールがあります。

これらの施設は、地域に開かれた空間として、銀行の活動をより身近に感じてもらうための重要な役割を担っています。

もう一度検索