三井道男

三井 道男：昭和期の著名な建築家

三井道男（みいみちお、1891年12月13日 - 1970年5月11日）は、主に昭和時代に活躍した日本の建築家で、数多くの建築物の設計に携わりました。特に江戸東京たてもの園の「田園調布の家」や滋賀にある武徳殿など、彼の作品は今も多くの人々に親しまれています。

経歴

三井は東京市に生まれ、父親の三井道郎はニコライ堂の司祭として知られていました。彼は1915年に早稲田大学理工学部建築学科を卒業し、その後、斎藤久孝建築事務所で働き始めました。翌年には司法省に転職しましたが、1年も経たずに辞職し、再び斎藤事務所に戻ります。

1921年には、早稲田大学の恩師である岡田信一郎の事務所に参加し、その頃、歌舞伎座再建プロジェクトに関与しました。岡田のもとで、三井は青山会館や東京府美術館、浅野図書館、さらにニコライ堂の修復など、多種多様なプロジェクトに関わりました。岡田信一郎が亡くなった後、1934年には独立し、三井建築事務所を設立しました。

主要な作品

三井道男が関与した主な作品には以下が含まれます：

• - 昭和医学専門学校附属病院（1929年）：このプロジェクトは岡田建築事務所名義で、三井が担当しました。
• - 明治学院礼拝堂増築（1934年）：元々のヴォーリズ設計の礼拝堂に袖廊を加え、ラテン十字型の設計をしたものです。
• - 滋賀武徳殿（1936年）：2018年に取り壊されましたが、彼の設計によって重要な役割を果たしました。
• - 昭和医科大学校舎・大講堂（1952年）：この作品はその後の学びの場として広く利用されました。
• - 大阪ハリストス正教会（1962年）：今も現存しており、地域のシンボルとなっています。

また、三井は数多くの住宅設計にも関与しました。特に、田園調布に位置する大川栄邸は、施主がニコライ堂の信徒であることから、彼にとって特別な作品です。現在では江戸東京たてもの園に移築されており、保存されています。一方で、渡辺実邸や松嶋邸は現在は取り壊されていますが、当時のチューダーゴシック様式の洋館として注目されていました。

影響と遺産

三井道男は1970年に逝去しましたが、その設計した建物や教育機関は今なお多くの人々に影響を与えています。彼の作品は日本の近代建築の一部を成しており、デザインや機能性に優れた建築物の数々は、今後も歴史的な価値を持ち続けるでしょう。特に彼の出身であるニコライ堂で行われた葬儀は、多くの人にとって彼の功績を再認識する大きな機会となりました。三井道男の建築に対する情熱と献身は、現代においても評価され続けています。

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