三八式機関銃

三八式機関銃の概要

三八式機関銃は、日本陸軍が制定した機関銃で、明治40年6月に正式に採用されました。設計を担当したのは南部麒次郎少佐であり、改良型として保式機関砲の機能を引き継ぎつつ、さまざまな特徴を持っています。この銃は三脚架に据え付けて使う空冷式の機関銃で、口径は6.5mm、全長は1448mm、銃本体の重さは28kgとなっており、三脚架を含めた全備重量は55.5kgに達します。

発射時には保弾板を使用し、30発を連続して射撃できる能力を持ち、射撃速度は毎分450発、熟練した射手なら最高600発まで発射できます。最大射程は4000m、有効射程は2000mです。弾薬は保弾板に30発装填され、発射すると左側から右へと自動的に給弾されます。三脚架の設計も独特で、前には二つの脚、後には一本の太い脚があり、銃手用のサドルも設けられています。これにより、膝射姿勢や伏射姿勢を取りやすく、射撃の自由度が高まります。

輸送には馬を用いており、時には駄載の形で前線に運ばれました。明治42年11月に行われた射撃試験では、三八式機関銃の銃身命数が10,000発以下との結果が示され、この結果も戦場での性能に直結しました。特に青島戦役においてはその実力が試されました。

構造の詳細

三八式機関銃は、6.5mm口径の三八式実包を使用し、ガス圧を利用する空冷式の機関砲です。銃身の前方には放熱のための筒が取り付けられ、下部には発射ガスを送り込むガスシリンダーがあります。銃身外部は黒色に錆染めされ、6条のライフリングが施され、前端には照星座などの装置もついています。

銃身の背後には尾筒があり、その内部には遊底、活塞、復座ばね、引き金が組み込まれています。遊底は、円筒形状に撃茎や抽筒子が組み込まれ、後部で活塞との連結が行われます。銃の動作は、引き金を引くことで復座ばねによって遊底が前進し、実包が装填されて発射へと繋がります。発射時には発射ガスがガスシリンダーに流れ込み、遊底が後方へ移動して空薬莢を排出し、新たな弾薬を給弾する形態をとります。

また、銃には自動連射装置が装備されており、銃手が引き金を引き続けることなく連続射撃が可能です。射撃機に関連する安全装置も改良されており、特定の位置に回すことで射撃が可能な状態や不可能な状態に切り替えられます。弾薬箱は2種類あり、それぞれ異なる重量を持ち、全てを駄載で運ばれる設計です。

改修点と欠点

三八式機関銃の開発に当たっては、先代の保式機関砲の欠点を克服すべくさまざまな改良が施されています。特に、薬莢に油脂を塗布するための油槽の追加や、薬室後部の形状変更による装填の安定性向上が重要です。エキストラクターと円筒の構造を強化し、安全装置の信頼性を向上させました。

ただし、依然として銃身の交換が困難であったり、閂子の固定式設計により修理が難しいという欠点は残りました。また、火薬の反応性が高く、撃茎が活塞と結合しているため雷管を破損しやすく、全体的に精度の向上が求められました。三脚架の姿勢変更も手間がかかるため、これらの問題点を解決すべく、後継のモデルである三年式機関銃が開発されることとなります。

三八式機関銃は日本陸軍の重要な兵器として活動し、その後の戦術や兵器開発に影響を及ぼしました。

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