保式機関砲

保式機関砲（ほしききかんほう）

保式機関砲は、1902年に日本陸軍によって正式に採用された機関銃です。この兵器は1904年から1905年にかけて日露戦争に投入され、日本の勝利に多大な貢献をしました。また、この機関砲は後の三八式[[機関銃]]の基本形式となっています。

概要

保式機関砲の開発の始まりは1896年に遡ります。この年、日本陸軍はフランスのオチキス社が開発したホチキスMle1897機関銃に興味を持ち、試験用に4門を購入しました。1897年に購入されたホチキス式機関砲は口径8mm、最大射程は1,900mという性能を持っており、ガス圧利用式の排莢・給弾機構に特長がありました。

しかし、1898年の射撃試験では、温度変化による弾薬の不具合で連発が不能になるという問題が発生しました。オチキス社はその原因を探ることを約束し、最終的に日本陸軍はMle1897の口径を6.5mmに変更し、仕様を確定させることになります。

1901年にはオチキス社から製造権を購入し、以降、日本陸軍は大量生産を開始しました。1902年に保式機関砲として正式に制定され、以降、202門の機関砲をオチキス社から調達しました。

呼称と分類

保式機関砲は小口径の6.5mmであったため「機関銃」と呼ばれることもありましたが、1907年に入ると、日本陸軍は口径によって機関銃と機関砲を分類しました。その結果、それまで機関砲と呼ばれていた機種も、口径によって区分されることになりました。小口径の自動火器が「機関銃」と称されるようになったのは、三八式[[機関銃]]が制式化された後のことです。

操砲方法

保式機関砲は三脚上に載せて使用されます。三脚は2本の前脚と1本の後脚から構成され、砲手は後脚に設けられたサドルに腰掛けて射撃を行います。運用は砲車長1名、砲手3名の班によって行われ、各砲手の役割は明確に分けられています。砲の位置を移動するには、砲手が協力して行います。

射撃指示は砲車長が行い、単発射撃や連続射撃の際に号令が出されます。機関砲はガス圧を利用して作動し、規制子でその圧力を調整することが求められました。

故障とメンテナンス

保式機関砲では、射撃時に異常な挙動が見られることもありました。その原因としては、ガス圧の不適切な調整や部品の摩耗が挙げられます。適切な整備が施されないと、射撃精度に影響を及ぼすため、点検・整備は欠かせませんでした。

量産と配備

1899年当時、日本陸軍は本体の急速な製造を進めましたが、工具類の整備は後回しとされ、実際の量産が始まったのは1903年からです。日露戦争では多くの保式機関砲が投入され、戦局に大きな影響を与えました。各軍隊への配分も慎重に行われ、戦争における運用も評価されました。

最終的に、保式機関砲は日本陸軍の重要な火力として、日露戦争を通じてその力を発揮し、後の機関銃設計にも影響を与え続けました。

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