三別抄

三別抄について

三別抄（さんべつしょう、朝：삼별초）は、高麗王朝の国防および軍事活動を担った組織であり、特に崔氏政権下での重要性が増しました。この組織は、実権を握った者の私兵として暗殺やクーデターに利用され、後には国軍に進化したとされています。

別抄の特徴

「別抄」は、特定の目的のために結成される特別な軍団を指します。高麗時代には、騎馬部隊「馬別抄」と夜間の警備を行う「夜別抄」がこの組織に統合されました。これにより、高麗王朝が直面した内部の反乱や外敵の侵入に対する迅速な対応が可能となり、ついには左別抄と右別抄に分かれて常備軍的な役割を持つようになりました。

三別抄の成立と背景

高麗王朝は936年に成立し、中華諸王朝の冊封を受けていましたが、北からの侵略を受ける中で国内体制の不満が高まりました。特に、文臣優遇政策により武臣の反発が強まり、武臣政変が勃発。崔忠献が李義旼を排除し、政治の実権を掌握しました。そこで崔忠献は新たな軍団、すなわち馬別抄と夜別抄を統合し、三別抄が形成されたのです。

三別抄の役割と功績

三別抄は、最初は崔氏政権を守るための私兵として機能しましたが、その後、高麗の衰退した軍事制度の補完にあたり、事実上の国軍に成長しました。モンゴルの侵攻の脅威が迫る中、三別抄は対抗するために活躍し、反乱を組織する主力ともなりました。

モンゴルとの対立

モンゴル帝国は建立されると高麗と同盟しましたが、その後の関係悪化に伴い、多くの侵攻を行いました。その中で、三別抄は高麗の声望を保つため早期に抵抗を試みましたが、1231年にはモンゴル軍の進撃により高麗は崩壊の危機を迎えました。

クーデターと権力闘争

1258年、金俊による崔氏政権へのクーデターが発生し、三別抄の朴希実もその中心的な役割を果たしました。政権奪取後、金俊は意図しない政権の傀儡となり、元宗王は彼から政権を奪うために三別抄を動員しました。この時期、数度にわたる権力の奪取と内部抗争が繰り広げられました。

最後の闘争

中華帝国の支援を受けた元宗王は、反乱を起こしていた三別抄を解散させようとしましたが、彼らは江華島を拠点に抗戦を試みます。1271年には支援を求めて日本の鎌倉幕府に接触を図りますが、無視されました。内部の対立が高まる中、三別抄は最終的にモンゴル軍との戦闘で壊滅的な打撃を受け、1273年にはその歴史に終止符が打たれました。

三別抄の遺産

三別抄の滅亡は高麗王朝に大きな影響を与えました。興味深いことに、沖縄県浦添市で発見された高麗瓦の文様は、三別抄が使っていたものと似ており、存在を証明するものとなっています。これにより、彼らの生き残りが沖縄に逃げた可能性が高いとされています。この歴史は、朝鮮半島と琉球の文化的なつながりを示唆しています。

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