高麗

高麗国について

高麗国（こうらい、コリョ）は918年に建国され、1392年までの474年間、朝鮮半島の主要な国家として存在しました。創設者は王建で、彼は後高句麗王弓裔を追放して新しい国を樹立しました。高麗国は936年に朝鮮半島の後三国を統一し、首都は開京に置かれました。

高麗国の概要

建国当初から高麗国は急速に勢力を増し、10世紀には朝鮮半島の大部分を占めるまでに成長しました。元の侵略が始まった1259年には、戶籍職を失い、元の属国となります。1356年に完全な独立を果たしたものの、1370年から明に朝貢するようになりました。高麗の政権内部では親明派と親元派の対立が激化し、最終的に1392年、武官の李成桂により滅ぼされ、李氏朝鮮が成立しました。興味深いことに、「高麗」という国名は、英語の「Korea」やフランス語の「Corée」などの言葉の語源となりました。

建国前の情勢

高麗国が存在する直前には、新羅が676年に統一され、長い間政治的な安定期を迎えていました。しかし、8世紀末から9世紀の間に王位継承を巡る争いが起こり、各地で農民の反乱も発生しました。883年には後百済が、901年には後高句麗がそれぞれ成立し、高麗国成立前の後三国時代が始まりました。

王建は後高句麗の将軍として軍事力を背景に登場し、後百済との戦いで勝利を重ねました。918年、彼は王に推戴され、高麗国が成立します。おそらく彼は後高句麗の旧領土に高麗を建国することで国名を「高麗」と定めたのでしょう。

高麗の国家運営と文化

高麗国はその後、後百済や新羅と争い、935年には新羅が高麗に統合されました。政治体制としては地域豪族との結びつきを強化し、武士と農民との関係を調整しながら安定した国家運営を実施しました。また、高麗では仏教が国教として栄え、文化面でも独自の発展を遂げました。

特に工芸や仏教美術などは多くの人々に支持され、青磁や仏画が残されています。また、教育制度も発展し、全国に学校が作られました。

外交と敗北

高麗国は中国の宋と貿易関係を築き、アラビア商人との交流も盛んでした。しかし、12世紀末からは契丹や女真の侵入も見受けられ、高麗は多方面からの外圧に悩まされました。特にモンゴルの侵攻は深刻で、1231年からの侵略に対し、高麗国は抗戦しましたが、長期にわたる戦争の結果、1259年にモンゴルに降伏しました。

その後、高麗国は元の支配下に置かれることになり、政治的にも経済的にも大きな影響を受けました。モンゴルの統治とともに、国民感情にも影響を与え、反乱も発生することになりました。

滅亡とその後

最後には李成桂のクーデターによって1392年に高麗国は滅亡し、李氏朝鮮が成立します。彼は自身の政権を基盤に朝鮮王朝の礎を築くこととなり、高麗に代わる新たな時代が始まりました。高麗国の歴史は、朝鮮の文化、社会、国際関係に大きな影響を与え続けており、今もなおその存在感は色濃く残っています。

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