三原
平野(みはらへいや)は、
兵庫県淡路島の南部に広がる
平野です。三原川とその支流によって形成された沖積
平野であり、南あわじ市に位置しています。旧
三原町、旧
西淡町の一部、旧
南淡町の一部、旧緑町の一部がこの
平野に含まれます。
地理
年間を通じて温暖な気候で、特に夏季は降水量が少ないのが特徴です。この気候と肥沃な土壌が、農業生産を支えています。
農業
農業生産物
三原
平野の土壌は砂壌土が卓越しており、野菜の栽培に非常に適しています。特に
タマネギの生産が盛んで、
兵庫県全体の
タマネギ生産量の95%がこの地域で生産されています。2021年の
兵庫県の
タマネギ作付面積・出荷量は、全国で3位です。
淡路島では、収穫した
タマネギを保管するための独特な貯蔵施設である「玉ねぎ小屋(吊り小屋)」が見られます。
タマネギ以外にも、コメ、
京阪神市場向けの
レタス、
ハクサイ、
キャベツなどの野菜が生産されています。同じ農地で年間3種類の農作物を栽培する三毛作が行われていることも特徴です。夏季の降水量が少ないため、三原
平野には
ため池が多く存在します。
農業の歴史
三原
平野では、近世から
米と大麦を交互に栽培する二毛作が行われていました。明治時代中期には
タマネギの栽培が始まり、大正時代には大麦に代わって広く普及しました。また、明治時代には役肉用牛の肥育も行われるようになり、大正時代には
乳牛による
酪農も発展しました。
太平洋戦争前には、
米、
タマネギ、
酪農を組み合わせた有畜複合農業が確立しました。高度経済成長期の1960年代前半には、三原営農方式と呼ばれる有畜水田三毛作が確立しました。しかし、1980年代以降は、
酪農を中止する農家が多く、
酪農を継続する農家は多頭飼育による大規模化を進めました。
このように、三原
平野は温暖な気候と肥沃な土壌を活かし、多様な農業生産が行われてきた地域です。
タマネギを中心とした野菜の生産は、この地域の重要な産業となっています。