三原純子

三原純子 - 昭和の流行歌の歌姫

三原純子（みはらじゅんこ、1920年8月6日 - 1959年10月3日）は、昭和の時代に活躍した流行歌の歌手で、本名は黒田粋子です。彼女は、岐阜県大野郡白川村で生まれ、女学校時代からその美声で知られていました。卒業後は名古屋で音楽を学び、その後東京に上京し、作曲家の長谷川堅二に声楽を学びました。

1939年、三原はタイヘイレコードの専属歌手としてデビューし、芸名を「三原純子」に改名しました。デビュー曲の「帰ろう帰ろう漢口へ」を始め、多くの楽曲がリリースされました。その中でも、「さらば港よ」や「出島の雨」、「乙女よ朗らかに」などの作品がヒットしました。

1942年にタイヘイがキングに買収されると、三原はコロムビアに移籍し、デビュー曲「南から南から」が大ヒットとなりました。この曲が、戦時中であるにもかかわらず、多くの人々に親しまれることになります。同年、彼女は映画「歌う狸御殿」に出演し、デュエットした楠木繁夫との恋が進展し、1943年に結婚しました。

戦中、三原はたくさんの戦時歌謡をレコーディングしましたが、夫婦で国内の軍需工場を慰問したりもしました。ですが、戦争の影響によって心身ともに厳しい状況に置かれ、1945年には空襲によって東京の自宅が焼失したため、故郷の飛騨高山に疎開します。

戦後は、ステージや慰問活動を行いながら新曲も発表しました。「春爛漫狸御殿」の主題歌「夜風のタンゴ」は、夫婦でのレコーディングとして人気を集めました。1949年にはテイチクに移籍し、1950年に主演映画「ニッポンGメン 難破崎の血斗」の主題歌「しのび泣く雨」で久しぶりのヒットを果たし、NHK紅白歌合戦にも出演しました。

しかし、歌手活動の傍ら、三原は肺結核を患い、健康状態が次第に悪化していきました。夫の楠木もアルコールに依存し、ヒロポン中毒も併発していました。二人は1956年までステージを続けましたが、三原の病状が深刻になり、故郷で療養を余儀なくされます。療養中に楠木が自殺するという悲劇が降りかかり、三原にとってその喪失は大きな打撃となりました。

1959年、三原は39歳で亡くなりました。彼女の死は、音楽界においても大きな衝撃を与えました。1985年には故郷の飛騨高山に彼女と楠木を偲ぶ比翼塚が建立され、彼らの功績と愛情は今も多くの人に語り継がれています。

代表曲

• - 「点数の歌」共演：林伊佐緒
• - 「海防だより」
• - 「南から南から」
• - 「真昼の丘」
• - 「月の小島」共演：楠木繁夫
• - 「大空に祈る」共演：松原操、菊池章子
• - 「夜風のタンゴ」共演：楠木繁夫
• - 「しのび泣く雨」
• - 「妻も恋す」

三原純子の歌声は、今も多くの人々に愛されており、彼女の業績は日本の音楽史に残るものです。

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