三司官

琉球王国における三司官（さんしかん）は、王府の行政を担う最高責任者であり、宰相職に相当します。漢訳では法司と記され、「世あすたべ」とも呼ばれていました。

三司官は、首里王府において実質的な行政の最高責任者として機能しました。その上位には摂政（シッシー）が存在しましたが、羽地朝秀のように卓越した手腕を発揮した人物を除き、通常は形式的な儀礼職に留まり、実際の行政は三司官が主導しました。

三司官は三人制であり、親方（ウェーカタ）の中から選挙によって選出されました。選挙権を有していたのは、王族や上級士族など約200名に限られていました。王族には選挙権はありましたが、被選挙権は与えられていませんでした。

三司官の職務は、用地方、給地方、所帯方の三つに分かれており、三名の三司官がそれぞれを分担しました。用地方は国家の財政や税制、給地方は領地の管理や割り当て、所帯方は王府の儀式や祭祀などを担当しました。

三司官の品位は正一品から従二品とされ、これは士族（サムレー）が昇進できる最高の位階でした。このことからも、三司官が琉球王国においていかに重要な役職であったかが理解できます。代表的な三司官には、卓越した政治手腕を発揮した蔡温がいます。

関連事項として、琉球の三司官の一覧や琉球の位階、琉球王国そのものについての知識を深めることで、三司官の役割や歴史的背景への理解を深めることができます。

三司官は、琉球王国の政治機構において、行政の中核を担った重要な役職であり、その歴史は琉球王国の歴史を理解する上で不可欠な要素であると言えるでしょう。

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