三国 (大阪市)

大阪府淀川区三国：歴史と現代が織りなす街

大阪市淀川区の北部、神崎川に沿って広がる三国は、約2km×1.7kmの地域に、三国本町、西三国、東三国、十八条の4つの町名が含まれる、多様な表情を持つ街です。

三国の歴史：三つの国の接点から現代へ

「三国」という地名は、古くからこの地を流れる川、「三国川」（現在の神崎川）に由来します。三国川は、摂津国、河内国、和泉国の三つの国境に接していたことから、この名がついたとされています。また、別の説として、四国の讃岐国、阿波国、伊予国からの物資が大阪へ運ばれる交易路の中心地であったことから名付けられたという説も存在します。特に長岡京遷都に伴う淀川整備によって、四国からの物資輸送が容易になり、三国川周辺の港は栄えました。

明治以降、三国は西成郡北中島村の一部として存在していましたが、1925年（大正14年）に大阪市東淀川区に編入。蒲田・宮原新家の2大字が三国町・三国本町に改称されました。そして、1974年（昭和49年）には東淀川区の西部が淀川区として分離、三国は淀川区に属するようになりました。

1980年代までは工場が多く集まる準工業地帯でしたが、バブル崩壊後の1990年代前半には企業の移転・撤退が相次ぎました。その跡地にはマンションや戸建て住宅が建設され、現在では静かな住宅街が広がっています。東三国駅周辺は、新大阪駅への近さから業務施設や商業施設が集中しています。

三国の街並み：静寂と活気の共存

地域によって異なる表情を見せる三国。十八条や西三国は、アパートや戸建て、長屋などが立ち並ぶ、静かな低層住宅地です。神崎川沿いはかつて工業地帯でしたが、現在は工場の撤退が進み、変貌を遂げつつあります。三国本町は、閑静な住宅地と商業施設やオフィスビルが混在するエリアです。東三国は新大阪駅に近く、オフィスビルやホテル、マンション、商業施設などが集中し、活気ある雰囲気です。

交通：鉄道とバス網、そして利便性

三国は、阪急宝塚線三国駅が地域西端に位置し、地下鉄御堂筋線東三国駅も近接しています。しかし、十八条や西三国など、地域の大部分は鉄道から離れており、バス路線に頼らざるを得ない地域もあります。バスは阪急バスと大阪シティバスが運行していますが、本数は少なく、鉄道の利便性と比べると不便さは否めません。それでも、梅田まで30分以内で行ける交通至便な地域であると言えるでしょう。

区画整理：安全で住みやすい街づくり

現在、三国東地区と西宮原3丁目では、区画整理事業が進められています（2020年末まで）。老朽化した建物や狭い路地が多い地域において、市営住宅の建設や古い民家の建て替え、道路拡張などを実施することで、安全で災害に強い、子供にも住みやすい街づくりを目指しています。小規模公園の設置も計画されています。

三国の施設：生活を支える様々な施設

三国には、生活に必要な様々な施設が充実しています。駅周辺には商業施設が集中し、スーパーマーケット、ドラッグストア、飲食店などが多く見られます。また、医療機関も充実しており、多くの病院やクリニックが地域住民の健康を支えています。さらに、学校や公園も多く、教育環境や生活環境も整っています。

まとめ

歴史と現代が共存する三国は、交通の便も良く、生活環境も整った魅力的な地域です。今後の区画整理事業によって、さらに安全で住みやすい街へと発展していくことが期待されます。静かな住宅地から活気ある商業地まで、多様な表情を持つ三国は、大阪の新たな魅力を発見できる場所です。

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