三地域対抗試合

三地域対抗試合：日本ラグビー史に刻まれた熱き戦い

三地域対抗試合は、日本ラグビーフットボール協会主催の大会で、関東、関西、九州の3地域代表チームが激突する、日本ラグビー界を代表するイベントでした。ラグビー関係者やファンからは「三地域対抗ラグビー」や「三地域対抗」などと呼ばれ親しまれてきました。

大会概要：地域対抗戦の伝統と変遷

1947年、九州ラグビーフットボール協会が関西ラグビーフットボール協会から分離独立したことを機に始まりました。日本ラグビーフットボール選手権大会（ラグビー日本選手権）が開催される以前、そして同大会の開催日が1月15日に固定されていた時代には、2月中旬から3月上旬に開催されていましたが、ラグビー日本選手権の開催日が2月下旬にずれ込んだ後は、3月中旬から下旬に開催されるようになりました。一部の年度では、ラグビー日本選手権の前座試合として行われることもありました。

各地域代表選手は、各協会に登録されている選手の中から選抜されます。そのため、例えば関東の大学に所属しながらも九州協会に登録されている選手は、九州代表として出場することになります。各チームは、それぞれの協会のエンブレムをデザインに取り入れたジャージを着用します。

試合会場は、奇数年度と偶数年度でローテーション制を敷いていました。奇数年度は、関西対関東戦は関西、関東対九州戦は関東、九州対関西戦は九州の各協会が指定する会場で開催されるのが通例でした。偶数年度はその逆となります。

この大会は、日本ラグビー代表の選考を兼ねたセレクションマッチとしての役割も担っており、日本代表を目指す選手にとって重要なアピールの場となっていました。ラグビー日本選手権以前は、日本ラグビー界におけるオールスター戦としての性格が強く、NHKテレビで中継されることもありました。

大会の中止とその後：震災の爪痕と未来

2011年3月13日、第50回大会の第1試合として、関東代表と関西代表の試合が秩父宮ラグビー場で開催される予定でした。しかし、3月11日に発生した東日本大震災により、全ての試合が中止となりました。その後、大会は再開されておらず、2010年の第49回大会が最後の開催となりました。

大会記録と未来：レガシーと可能性

長年に渡り、三地域対抗試合は多くの名勝負と感動的な瞬間を生み出し、日本ラグビー史にその名を刻みました。熱戦の数々、そしてその歴史は、日本のラグビー界にとってかけがえのない財産です。再開を望む声も多く、今後の動向に注目が集まっています。

参考文献

日比野弘『日本ラグビー全史』310-313ページ

外部リンク

日本ラグビーフットボール協会

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