三宅速

三宅速：日本の外科医とその功績

三宅速（みやけ はやり）は1867年に徳島県穴吹町で生まれ、日本の外科医として知られています。彼は主要な医療機関での業務を経て、外科教育や脳腫瘍手術の先駆者となりました。彼の生涯や業績は、医療界に多くの影響を与え、後世にも語り継がれています。

経歴の軌跡

三宅は東京帝国大学医科大学を卒業した後、外科医としての道を歩み始めました。外科教授のユリウス・スクリバからの助言を受け、彼は外科分野に専念しました。最初は徳島市内の病院で5年間の勤務を経た後、ドイツのブレスラウ大学でミクリッチの指導を受け、胆石症の研究に従事しました。この留学が、彼の後の業績に大きく寄与しました。

35歳になった三宅は、大阪府立医学校の付属医院で外科医長として活躍し、その後、京都帝国大学や福岡医科大学（現在の九州大学医学部）へと赴任しました。彼は再びドイツに留学した後、1904年には福岡医科大学の教授に就任します。1905年には日本で初めて脳腫瘍手術を成功させ、その業績が評価されます。

彼のキャリアは順調に進み、1910年には九州帝国大学の初代外科部長に任命されましたが、戦争の影響でその晩年は厳しい決断を迫られます。1945年の岡山大空襲で疎開していたところ、妻と共に命を落としてしまいました。

アインシュタインとの交友

三宅の生涯の中で特に注目されるエピソードは、彼とアルベルト・アインシュタインとの親交です。アインシュタインが日本へ向かう北野丸の船上で腹痛を訴えた際、たまたま乗り合わせていた三宅が診察を行いました。この出来事がきっかけとなり、二人の友情が芽生えました。その後、アインシュタインが福岡での講演を希望した際には、三宅がその準備を手伝い、多くの書簡を交わすなど深い繋がりを築いていきました。

アインシュタインの死後、三宅の息子である三宅博が父の遺品を整理中にアインシュタインからの手紙を見つけ、二人の関係に初めて気づくこととなりました。博はアインシュタインに父の死を伝え、墓碑への献詞を所望しました。アインシュタインからは哀悼の言葉が寄せられ、後にその言葉を刻んだ墓碑が建立されました。

主な著作と業績

三宅速は多くの医学論文や著書を残しており、その中には脳腫瘍手術に関する研究や胆石症の見地からの考察が含まれています。彼の著作は以下の通りです：

• - 1892年に発行された『中外医事新報』や、1907年の『日本外科学会誌』における研究。
• - 1914年から1919年にかけて出版された『胆道外科』。
• - 1927年の『外科的見地に於ける内外境域問題としての胆石症』。
• - 及び、1983年に岡山大学での研究に関する著作など。

結論

三宅速は医療の進歩に多大な貢献をし、特に脳腫瘍手術に成功したことで、日本の医療界にその名を刻みました。また、アインシュタインとの親交は、多くの人々に彼の人間性や国際的な視野を示す良い例となっています。彼の業績は後世にわたり医療の発展に寄与し続けることでしょう。

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