三島川之江港

三島川之江港：四国中央市の工業と海の結節点

[愛媛県]]四国中央市の北東部に位置する三島川之江港は、その歴史と役割において、地域の経済発展と密接に結びついています。かつては三島港と川之江港として別々に存在していましたが、1970年]に合併、その後1971年(昭和46年)には[[重要港湾に指定され、現在では、大型貨物船が頻繁に訪れる活気ある工業港として知られています。

発展の軌跡：製紙産業と港湾整備

三島川之江港の隆盛は、近隣地域の積極的な工業化政策と製紙産業の発展に深く関わっています。1964年(昭和39年)、宇摩地域は東予新産業都市に指定され、以降、製紙産業が急速に発展しました。大型のチップ船の入港や紙製品の積み出し需要の高まりを受け、港湾施設の拡張が急務となりました。従来の三島港と川之江港では対応しきれなくなったことから、両港の合併という決断に至り、現在の三島川之江港が誕生しました。

その後も、コンテナ船やRORO船（Roll-on/Roll-off船）の就航など、海上交通の要衝としてその役割を拡大しています。しかし、増加する船舶の規模に対応するため、岸壁の拡張や防波堤の改良などの港湾整備は継続して行われています。金子地区の臨海部開発もその一環であり、製紙スラッジの最終処分場確保のための埋め立て事業も、港湾の歴史を語る上で重要な要素となっています。

港湾機能と貨物取扱量

三島川之江港は、製紙産業に特化した港湾として機能しており、その貨物取扱量は膨大です。2006年の取扱量においては、製紙原料であるチップと燃料の石炭が全体の半分以上を占め、紙パルプ製品の積み出しも盛んに行われています。近年では、ばら積み貨物からコンテナ貨物への転換が大きく進み、国際コンテナ取扱量は増加傾向にあり、2010年には四国地方でトップの取扱量を記録しました。

背後圏と経済効果

港湾の背後圏には多くの製紙工場が立地しており、原料の輸入から製品の輸出まで、製紙産業の全工程を円滑に支えています。この効率的なサプライチェーンが、四国中央市を全国有数の製紙産業集積地へと押し上げ、三島川之江港はその発展の原動力となっていると言えるでしょう。

三島港と川之江港：それぞれの歴史

三島港は、かつては白砂青松の砂浜が広がる漁村でしたが、大正時代の港湾修築工事によって近代的な港へと整備されました。戦後の製紙産業の発展に伴い、港の利用度も飛躍的に増加し、県に移管されて以降、RORO船航路の発着や国際ターミナルコンテナヤードの設置など、更なる拡張が続けられました。一方、川之江港は金生川の河口を利用した自然の良港として古くから栄え、江戸時代には土佐藩主の参勤交代の乗船地としても利用されるなど、歴史的な重要性を持ちます。

航路と課題

三島川之江港には、国内外の様々な航路が就航しています。韓国や中国への国際航路に加え、国内各地との航路も整備され、海上輸送の要衝としての役割を担っています。しかし、過去の公害問題（水質汚濁や悪臭）を踏まえ、環境問題への配慮は今後の重要な課題であり、持続可能な発展に向けた取り組みが求められます。 フェリー航路は過去に存在しましたが、現在は廃止されています。高速艇航路も過去に運行されていましたが、現在は廃止されています。

まとめ

三島川之江港は、製紙産業の発展とともに歩み、現在では四国地方の経済を支える重要な港湾として機能しています。今後も、国際競争力の強化と環境保全の両立を目指した発展が期待されます。

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