三島虎好

三島虎好の生涯と政治活動

三島虎好（みしま とらよし）は、1913年1月16日に神奈川県に生まれ、2006年8月4日に永遠の眠りにつきました。彼は昭和期の地方公務員および政治家であり、逗子市の第3代市長として地元の発展に寄与しました。

経歴

三島は1930年に攻玉社工学科を卒業し、1940年に神奈川県庁に入庁しました。以後、教育委員会での役職を経て、1968年には監査事務局長に就任します。1970年から1973年には高橋鯛蔵市長の下で助役として市政に携わり、その後1973年8月に市長に初当選します。この選挙は、自由民主党と民社党の推薦を受けた無所属候補として出馬し、共産党候補に大差で勝利しました。

その後も1977年と1981年の市長選挙において再選を果たし、特に1981年は他に立候補者がいなかったため、無投票での当選を果たしました。三島市長の任期中は、都市の発展や地域課題に取り組む姿勢が評価されていました。

池子問題への取り組み

三島市長が特に注力したのが、池子弾薬庫に関する問題です。1938年に設けられたこの弾薬庫は、占領期にアメリカに接収され、長年にわたり市民の返還運動が続いていました。三島が助役を務めていた1970年には、弾薬庫の全従業員が解雇され、その後の1971年には、逗子市議会が全面返還の促進を求める決議を行いました。

三島市長が就任する直前の1973年から1977年には、小規模な弾薬搬出が行われるも、1978年には弾薬庫が実質的に閉鎖されました。市議会の意思を受けて、三島は池子地区に「昭和記念公園」を誘致する活動を展開し、国営公園の設計が立川基地跡に決定した後も、池子弾薬庫の全面返還を目指す運動を続けました。

米軍家族住宅建設問題

1982年、横浜防衛施設局が米軍家族住宅の建設候補地として池子弾薬庫を挙げた中で、三島市長は県知事や横浜市長と共に反対表明を行いました。この件は市民の間でも大きな議論を呼び、住宅建設反対を訴える住民運動が広がりました。

1984年に至り、三島市長は条件付きで住宅建設への協力を決断し、33項目の条件を防衛施設庁に提示しました。この方針転換に対して市民グループはリコール運動を展開する事態に至りますが、三島市長は「返還が難しい現状の中で最善を見い出した」として、自らの立場を堅持しました。1984年末にはリコールが成立する見通しとなり、1984年10月6日に彼は市長を辞職します。

辞職後の活動と晩年

三島の辞職により行われた市長選では、富野暉一郎が候補者として出馬し、結果的に当選を果たしました。三島は再度立候補し、富野と再戦しますが、87年の市長選挙でも再び敗北を喫しました。彼は2006年に死去し、追贈として従五位が贈られました。

市長としての三島虎好の歩みは、地域政治の発展に寄与したことを示しています。特に池子弾薬庫問題など、地域住民の権利と意向を尊重しつつ、公平な市政を目指していた彼の姿勢は後の政治家たちにとっても大きな示唆を与えるものとなりました。

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