三崎城

三崎城の歴史とその遺構

三崎城（みさきじょう）は、神奈川県三浦市城山町に位置する歴史的な日本の城で、別名を三浦城とも呼ばれています。このお城は相模三浦氏の本拠地であり、後に後北条氏の手に渡りました。

概要と所在地

三崎城の跡地は、高台に位置し、三崎港を見下ろすような形で存在しています。現在、この地域には三浦市役所やかつて存在した旧三崎中学校（2014年に閉校）、三浦市体育館などがあります。この城跡の近くには、北西2キロメートルに位置する油壺湾の北側に、同じく三浦氏の居城であった新井城があります。これまで、史料によれば新井城と三崎城は別々の城であると考えられてきましたが、近年の研究では、相模三浦氏の時代には一つの城として存在していた可能性が示唆されています。

建築の伝承

伝えられるところによれば、鎌倉時代後期に三浦氏宗家が滅亡した後、相模三浦氏を興した佐原盛時がこの城を築いたとされています。しかし、その真実ははっきりしていません。元々、三崎城は相模三浦氏の水軍基地の一つだったと考えられています。

戦国時代の運命

戦国時代初期には、三浦義同（道寸）が伊勢盛時（北条早雲）に包囲され、3年にわたる長期の篭城戦を繰り広げました。最後には城が陥落し、相模三浦氏は滅びてしまいました。この戦いは「新井城の戦い」としても知られています。また、この戦闘によって三浦一族の血で海が油の壺のように黒く染まったため、現在の「油壺」という地名が付けられたとも言われています。その後、盛時（早雲）は城の大規模な改築を行い、安房の里見氏に対する防備を強化しました。

三崎城の利用と訪問

新井城と三崎城は、何度も里見氏に攻撃されることがあり、南部三浦半島は里見氏の領地に含まれることもありました。しかし、その後折り返し、盛時（早雲）の孫である北条氏康がこの地を取り戻し、彼の息子、氏規を三崎城の城主に任命しました。三崎城は風光明媚な場所にあるため、平時には後北条氏の当主が静養するため訪れることが多かったようで、1519年には盛時（早雲）や1565年に氏康がここを訪れた記録があります。

城の遺構

今日、三崎城の遺構としては、城の曲輪や土塁が残されています。具体的には、三浦市福祉会館の跡地や三浦市体育館の近くに、状態の良い土塁が見られます。その他にも、旧三崎中学校の脇や光念寺、忠魂碑周辺などに散在する土塁が確認されています。また、慰霊堂には土橋や堀切の跡が残っており、体育館の近くには説明板も設置されています。

三崎城は由緒ある城跡ではありますが、史跡としての指定や城跡公園としての整備は行われていません。ただし、三崎中学校や市役所周辺は「三崎城跡」として埋蔵文化財としての保護を受けています。この地域の歴史や文化について、より深く知ることができる場所の一つです。

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