三春藩

三春藩について

三春藩（みはるはん）は、現在の福島県田村郡三春町に位置していた藩で、歴史的には陸奥国南部に属していました。藩庁は三春城に置かれ、この地は戦国時代には田村氏の支配下にありましたが、豊臣秀吉の奥州平定の際に改易され、蒲生氏郷の領地となりました。1595年には豊臣政権によって三春城は廃城となりましたが、後に上杉氏の支配を経て、再び蒲生氏がその地を支配することになりました。

1609年以降、再び三春城が利用されるようになりましたが、1627年には新たに加藤嘉明が松山から移封され、彼の次男・加藤明利が3万石で三春藩に入藩します。この年には領民による新領主に反対する一揆も起きました。翌年には松下長綱が二本松から3万石で入藩しましたが、この時点で三春藩の様相が一変しました。

1644年には、常陸国宍戸より秋田氏が5万5000石で入藩し、秋田盛季が2代藩主としてその地を治めることになりました。盛季は弟の秋田季久に5000石を分与したため、藩の石高は5万石となります。その後、秋田家は廃[[藩置県]]までこの石高で三春藩を支配しました。その間、江戸時代を通じて、藩は凶作や飢饉にたびたび見舞われ、財政は苦しい状況が続くこととなります。

戊辰戦争の際、三春藩は他の東北の諸藩と同じく新政府側に立ちましたが、奥羽鎮撫総督府下の参謀である世良修蔵の暗殺や、会津・旧幕府軍による白河城の攻略など、さまざまな動きがあった結果、藩は奥羽列藩同盟に加わることを決定します。官軍の迅衝隊による棚倉城の落城や、仙台[[藩]]による棚倉城防衛の放棄、平潟における官軍の上陸により、三春藩は防衛が困難と判断し、断金隊の隊長である美正貫一郎や郷士の河野広中の尽力により、無血降伏を選びました。この結果、逆賊となることを免れ、藩内を守ることができ、多くの人命が助けられました。

その後、三春藩の領土は1868年に廃[[藩置県]]が行われた後、三春県となり、平県や磐前県を経て、1876年には福島県に編入されました。

歴代藩主

三春藩は外様藩であり、主に加藤家、松下家、秋田家によって治められてきました。主な藩主は以下の通りです。

• - 加藤明利（加藤家、3万石）
• - 松下長綱（松下家、3万石）
• - 秋田俊季（秋田家、5万石）

その後、秋田家の世代が続き、以下の藩主が治めました：

• - 秋田盛季
• - 秋田輝季
• - 秋田頼季
• - 秋田延季（治季）
• - 秋田定季
• - 秋田倩季（千季）
• - 秋田長季（謐季）
• - 秋田孝季
• - 秋田肥季
• - 秋田映季

位置と人口

三春藩の領域には、陸奥国（磐城国）に属する田村郡の83村と、標葉郡の2村が含まれていました。藩の歴史は多くの激動を経て、地方の文化や歴史に大きな影響を与えました。

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