磐城国

磐城国（いわきのくに）

磐城国は、1869年（明治元年）1月19日に陸奥国が分割されて成立した、日本の地方区分の一つです。東山道に属し、別名「磐州（ばんしゅう）」とも呼ばれていました。現在の福島県浜通りと中通り南部、そして宮城県南部に位置し、広大な領域を有していました。

領域

磐城国の領域は、現在の以下の区域に相当します。

宮城県
岩沼市の一部（阿武隈・大昭和・吹上など）
亘理郡：亘理町、山元町
角田市
伊具郡：丸森町
刈田郡：蔵王町、七ヶ宿町
白石市
福島県
相馬郡：新地町、飯館村
相馬市
南[[相馬市]]
双葉郡：浪江町、葛尾村、双葉町、大熊町、富岡町、楢葉町、広野町、川内村
いわき市
田村市
田村郡：三春町、小野町
郡山市の東部（阿武隈川以東）
須賀川市の東部（阿武隈川以東）
石川郡：平田村、古殿町、玉川村、石川町、浅川町
東白川郡：鮫川村、棚倉町、塙町、矢祭町
西白河郡：矢吹町の大部分（境町、本郷町、南町、田内、馬場および東の内の一部、子ハ清水の一部を除く）、中島村、泉崎村、西郷村
白河市の大部分（大信下小屋、大信隈戸を除く）

総面積は約6,788.29平方キロメートルで、その内訳は福島県域が約5,525.40平方キロメートル、宮城県域が約1,262.89平方キロメートルです。

沿革

戊辰戦争後の1869年1月19日、陸奥国が分割され、磐城国を含む5つの国が誕生しました。この分割は、律令時代に存在した「石城国」の範囲と類似していますが、磐城国は阿武隈山地を越えた内陸地域も包含している点が異なります。具体的には、伊具郡、刈田郡、田村郡、石川郡、東白川郡、西白河郡といった内陸部が含まれています。

旧藩

磐城国には、以下の藩が置かれていました。

相馬中村藩
三春藩
守山藩（水戸藩支藩）
磐城平藩
棚倉藩
湯長谷藩
泉藩

また、陸奥国から分立する前に廃止された藩としては、白河藩、白河新田藩（白河藩支藩）、浅川藩、窪田藩がありました。

近代以降の沿革

『旧高旧領取調帳』によると、明治初年の磐城国には1,056の村があり、600,647石余りの石高がありました。各郡の支配状況は以下の通りでした。

白河郡：幕府領、白河藩、越後高田藩
白川郡：幕府領、棚倉藩、下総小見川藩
石川郡：幕府領、白河藩、常陸笠間藩、常陸土浦藩、下総多古藩
田村郡：幕府領、旗本領、三春藩、守山藩、常陸笠間藩
菊多郡：旗本領、棚倉藩、磐城平藩、湯長谷藩、泉藩
楢葉郡：幕府領、棚倉藩、下総多古藩
標葉郡：相馬中村藩
磐前郡：幕府領、棚倉藩、磐城平藩、湯長谷藩、常陸笠間藩
磐城郡：幕府領、棚倉藩、磐城平藩、常陸笠間藩
宇多郡：幕府領、相馬中村藩、仙台藩
行方郡：相馬中村藩
刈田郡：陸前仙台藩
伊具郡：陸前仙台藩
亘理郡：陸前仙台藩

1866年、白河藩が棚倉藩に転封し、旧領は幕府領となりました。1868年には、戊辰戦争の影響で幕府領や藩領が磐城平民政局の管轄となりました。その後、仙台藩が廃藩となり、1869年に陸奥国が分割され、刈田郡・伊具郡は岩代国、残部が磐城国に所属することになりました。

さらに、磐城平藩が減封され、棚倉藩領の一部が相馬中村藩・笠間藩取締地となりました。また、楢葉郡や磐城郡の一部が三春藩取締地となりました。

1869年には、白石城に盛岡藩が転封し、白石藩が成立しましたが、すぐに盛岡藩に再転封しました。その後、幕府領や取締地に白河県が設置され、旧白石藩領に白石県が設置されました。白石県は後に角田県と改称しました。1871年の廃藩置県により、藩領は中村県、棚倉県、磐城平県、湯長谷県、泉県、三春県などに分かれました。その後の府県統合を経て、最終的に刈田郡、伊具郡、亘理郡が宮城県に、残部が福島県に属することになりました。

地域

磐城国は、以下の郡で構成されていました。

田村郡
白河郡（現西白河郡）
白川郡（現東白川郡）
石川郡
刈田郡（現宮城県域）
菊多郡
磐前郡
磐城郡
楢葉郡
標葉郡
行方郡
宇多郡
伊具郡（現宮城県域）
亘理郡（現宮城県域）

人口

1872年の調査では、磐城国の人口は34万8608人を数えました。

脚注

注釈

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出典

[ここには出典を追加します]

参考文献

角川日本地名大辞典 7 福島県
旧高旧領取調帳データベース

関連項目

令制国一覧
磐城 (砲艦)
石城国（律令時代の令制国）
浜通り
* 中通り

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